MAC アドレスを構成するには、次の手順に従います。
アプリケーションによっては、ホスト上のすべてのインタフェースでそれぞれ一意の MAC アドレスが使用されている必要があります。ただし、すべての SPARC ベースの システムは、システム共通 MAC アドレスを持っており、デフォルトではすべてのインタフェースがこのアドレスを使用します。次の 2 つの状況では、SPARC システム上のインタフェースに出荷時に設定された MAC アドレスを構成する場合があります。
リンク集積の場合、集積構成では出荷時に設定されたインタフェースの MAC アドレスを使用してください。
IPMP グループの場合、グループ内の各インタフェースで一意の MAC アドレスを使用する必要があります。これらのインタフェースでは出荷時に設定された MAC アドレスを使用する必要があります。
EEPROM パラメータ local-mac-address? によって、SPARC システム上のすべてのインタフェースがシステム共通 MAC アドレスまたは一意の MAC アドレスのどちらを使用しているかを判別します。次の手順では、eeprom コマンドを使用して、local-mac-address? の現在値をチェックし、必要に応じて変更する方法を示します。
インタフェースがあるシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。
Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。
システム上のすべてのインタフェースがシステム共通 MAC アドレスを現在使用しているかどうかを判断します。
# eeprom local-mac-address? local-mac-address?=false |
この例では、eeprom コマンドの応答の local-mac-address?=false によって、 すべてのインタフェースがシステム共通 MAC アドレスを使用していることが示されています。local-mac-address?=false の値は、インタフェースを IPMP グループのメンバーにする前に、local-mac-address?=true に変更する必要があります。集積の場合にも、local-mac-address?=false を local-mac-address?=true に変更してください。
必要に応じて、local-mac-address? の値を次のように変更します。
# eeprom local-mac-address?=true |
システムをリブートすると、出荷時に設定された MAC アドレスを持つインタフェースは、システム共通 MAC アドレスの代わりに、その出荷時の設定を使用します。出荷時に設定された MAC アドレスを持たないインタフェースは、システム共通 MAC アドレスを引き続き使用します。
システム上のすべてのインタフェースの MAC アドレスをチェックします。
複数のインタフェースが 同じ MAC アドレスを持つ場合がないかどうかを調べてください。この例では、すべてのインタフェースがシステム共通 MAC アドレス 8:0:20:0:0:1 を使用しています。
ifconfig -a lo0: flags=1000849 <UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 hme0: flags=1004843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 10.0.0.112 netmask ffffff80 broadcast 10.0.0.127 ether 8:0:20:0:0:1 ce0: flags=1004843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 10.0.0.114 netmask ffffff80 broadcast 10.0.0.127 ether 8:0:20:0:0:1 ce1: flags=1004843 <UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2 inet 10.0.0.118 netmask ffffff80 broadcast 10.0.0.127 ether 8:0:20:0:0:1 |
同じ MAC アドレスを持つ複数のネットワークインタフェースがまだ残っている場合だけ、次の手順を続けます。それ以外の場合は、最後の手順に進んでください。
すべてのインタフェースが一意の MAC アドレスを持つように、必要に応じて、残りのインタフェースを手動で構成します。
/etc/hostname.interface ファイル内で、特定のインタフェースに対して一意の MAC アドレスを指定します。
手順 4 の例では、ce0 と ce1 をローカルで管理されている MAC アドレスで構成する必要があります。たとえば、ローカルで管理されている MAC アドレス 06:05:04:03:02 で ce1 を再構成するには、次の行を /etc/hostname.ce1 に追加します。
ether 06:05:04:03:02 |
手動で構成した MAC アドレスがネットワークのほかの MAC アドレスと衝突する危険を避けるために、「ローカルで管理される」MAC アドレスは、必ず IEEE 802.3 標準の定義に従って構成してください。
ifconfig ether コマンドを使用して、現在のセッションに対してインタフェースの MAC アドレスを構成することもできます。ただし、リブート後は ifconfig で直接行われた変更の内容は失われます。詳細は ifconfig(1m) のマニュアルページを参照してください。
システムを再起動します。