Oracle Solaris インストールプログラムをシステムで実行すると、このプログラムは初期 /etc/inet/hosts ファイルを構成します。このファイルには、ローカルホストにとって必要最小限のエントリが含まれています。エントリには、ループバックアドレス、ホストの IPv4 アドレス、ホスト名が入っています。
たとえば、図 5–1 のシステム tenere に対して、Oracle Solaris インストールプログラムは次のような /etc/inet/hosts ファイルを作成します。
127.0.0.1 localhost loghost #loopback address 192.168.200.3 tenere #host name |
例 10–1では、IPv4 アドレス 127.0.0.1 は「ループバックアドレス」です。ループバックアドレスは、ローカルシステムがプロセス間通信するために使用する予約済みネットワークインタフェースです。このアドレスを使用して、ホストは自分自身にパケットを送信できます。ifconfig コマンドは、ループバックアドレスを使用して、構成と検査を行います (「ifconfig コマンドによるインタフェース構成の監視」を参照)。TCP/IP ネットワークのシステムはすべて、ローカルホスト上での IPv4 ループバックに IP アドレス 127.0.0.1 を使用する必要があります。
IPv4 アドレス 192.168.200.1 と名前 tenere は、ローカルシステムのアドレスとホスト名です。これらは、システムの一次ネットワークインタフェースに割り当てられます。
システムには複数のネットワークインタフェースを持つものがあり、これらはルーターまたはマルチホームホストとなります。システムに接続されるネットワークインタフェースごとに、専用の IP アドレスとそれに割り当てる名前が必要です。インストール時には、一次ネットワークインタフェースを構成する必要があります。特定のシステムがインストール時に複数のインタフェースを持っている場合は、Oracle Solaris インストールプログラムも増設インタフェースに関するプロンプトを表示します。1 つ以上の増設インタフェースをこの時点で構成したり、あとで手動構成を行うことができます。
Oracle Solaris のインストール後、インタフェース情報をシステムの /etc/inet/hosts ファイルに追加することで、ルーターまたはマルチホームホストの増設インタフェースを構成できます。ルーターとマルチホームホストを構成する方法については、「IPv4 ルーターの構成」と 「マルチホームホストの構成」を参照してください。
例 10–2 は、図 5–1 のシステム timbuktu 用の /etc/inet/hosts ファイルを示しています。
127.0.0.1 localhost loghost 192.168.200.70 timbuktu #This is the local host name 192.168.201.10 timbuktu-201 #Interface to network 192.9.201 |
これらの 2 つのインタフェースを使用して、timbuktu はルーターとしてネットワーク 192.168.200 と 192.168.201 に接続します。