FTP と匿名 FTP – ファイル転送プロトコル (FTP) は、リモートネットワークとの間でファイルを送受信します。このプロトコルには、ftp コマンドと in.ftpd デーモンが含まれます。ユーザーは、リモートホストの名前とファイル転送コマンドのオプションを、ローカルホストのコマンド行に指定します。リモートホスト上の in.ftpd デーモンがそのあとローカルホストからの要求を処理します。 rcp とは違って、ftp は、リモートコンピュータのオペレーティングシステムが UNIX ベースでない場合でも動作します。リモートシステムが匿名 FTP を認めるように構成されている場合を除いて、ftp 接続を行うときにユーザーはリモートシステムにログインする必要があります。
インターネットに接続されている「匿名 FTP サーバー」からは、莫大な量の資料を入手できます。大学その他の研究機関がこれらのサーバーを設定して、ソフトウェア、研究報告、その他の情報をパブリックドメインに公開しています。このようなサーバーにログインするときは、anonymous というログイン名を使用するため、「匿名 (anonymous) FTP サーバー」と呼ばれます。
匿名 FTP の使用法と匿名 FTP サーバーの設定については、このマニュアルでは説明しません。しかし、たとえば『The Whole Internet User's Guide & Catalog』など、匿名 FTP について詳しく説明している多数の書籍が市販されています。FTP の使用手順については、『Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)』に記載されています。ftp(1) のマニュアルページには、コマンドインタプリタによって呼び出されるすべての ftp コマンドオプションについての説明があります。ftpd(1M) のマニュアルページには、in.ftpd デーモンが提供するサービスについての説明があります。
Telnet – Telnet プロトコルを使用すると、TCP/IP を実行しているネットワーク上で端末および端末指向のプロセスが通信できます。このプロトコルは、ローカルシステムでは telnet プログラムとして、リモートマシンでは in.telnetd デーモンとして実装されます。Telnet は、2 つのホストが文字単位または行単位で通信できるようなユーザーインタフェースを提供します。Telnet にはコマンドのセットが含まれていますが、これについては、telnet(1) のマニュアルページに詳しい説明があります。
TFTP – 簡易ファイル転送プロトコル (tftp) は、ftp と同じような機能を提供しますが、ftp のような相互接続は確立しません。したがって、ユーザーは、ディレクトリの内容を表示したり、ディレクトリを変更したりすることはできません。ユーザーは、コピーするファイルのフルネームを知っている必要があります。tftp のコマンドセットについては、tftp(1) のマニュアルページに説明があります。