Solaris のシステム管理 (IP サービス)

ネットワークトポロジの概要

ネットワークトポロジは、ネットワークの組み合わせ方を定義します。ルーターは、ネットワークを相互に接続するエンティティーです。ルーターは、複数のネットワークインタフェースを持ち、IP 転送を実行するマシンです。ただし、「IPv4 ルーターの構成」で説明されているとおりに正しく設定されるまで、システムはルーターとして機能できません。

ルーターは、複数のネットワークに接続して、より大きなインターネットワークを形成します。ルーターは、隣接する 2 つのネットワーク間でパケットの受け渡しをするように構成する必要があります。さらに、隣接するネットワークを越えた位置にあるネットワークに、パケットを渡す機能も備えられている必要があります。

次の図に、ネットワークトポロジの基本部分を示します。最初の図は、2 つのネットワークを 1 台のルーターで接続した単純な構成です。2 番目の図は、3 つのネットワークを 2 台のルーターで相互接続した構成を示しています。最初の例では、ルーター R がネットワーク 1 とネットワーク 2 を連結して、より大きなインターネットワークを作っています。2 番目の例では、ルーター R1 はネットワーク 1 と 2 に接続し、ルーター R2 は、ネットワーク 2 と 3 に接続しています。この接続で、ネットワーク 1、2、3 を含むネットワークが形成されます。

図 2–3 基本的なネットワークトポロジ

この図では、1 台のルーターで接続した 2 つのネットワークトポロジ、および 2 台のルーターで接続した 3 つのネットワークトポロジを示しています。

ネットワークをインターネットワークに結合したあと、ルーターは、宛先ネットワークのアドレスを基にネットワーク間でパケットの経路制御を行います。インターネットワークがより複雑になるにつれて、ルーターがパケットの宛先を決定する回数は増加します。

次の図に、より複雑な例を示します。ルーター R3 は、ネットワーク 1 と 3 に直接接続されており、この冗長性によって信頼性が向上します。ネットワーク 2 が停止しても、ルーター R3 は、ネットワーク 1 と 3 の間にルートを提供できます。 多くのネットワークを相互接続することが可能です。ただし、相互接続するネットワークは、同じネットワークプロトコルを使う必要があります。

図 2–4 ネットワーク間に追加パスを提供するネットワークトポロジ

この図では、3 台のルーターに接続した 3 つのネットワークトポロジを示しています。