Solaris のシステム管理 (IP サービス)

Procedureフローアカウンティングデータ用のファイルを作成する方法

flowacct アクションを IPQoS 構成ファイルに追加する前に、flowacct モジュールからフローレコードのファイルを作成します。このためには、acctadm コマンドを使用します。acctadm では、基本属性または拡張属性のどちらもファイルに記録できます。すべての flowacct 属性のリストについては、表 37–4 を参照してください。acctadm については、acctadm(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. IPQoS 対応システムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 基本フローアカウンティングファイルを作成します。

    次の例に、例 34–1 で構成されるプレミアム Web サーバ用の基本的なフローアカウンティングファイルの作成方法を示します。


    # /usr/sbin/acctadm -e basic -f /var/ipqos/goldweb/account.info flow
    
    acctadm -e

    acctadm-e オプションを指定して呼び出します。-e オプションによって、あとに続く引数が有効になる

    basic

    flowacct の 8 つの基本属性のデータだけがファイルに記録されることを示す

    /var/ipqos/goldweb/account.info

    flowacct から得られるフローレコードを格納するファイルの絶対パス名を示す

    flow

    acctadm にフローアカウンティングを有効にするよう指示する

  3. 引数を指定しないで acctadm と入力し、IPQoS システムのフローアカウンティングに関する情報を表示します。

    acctadm によって次の出力が生成されます。

    Task accounting: inactive
           Task accounting file: none
         Tracked task resources: none
       Untracked task resources: extended
             Process accounting: inactive
        Process accounting file: none
      Tracked process resources: none
    Untracked process resources: extended,host,mstate
                Flow accounting: active
           Flow accounting file: /var/ipqos/goldweb/account.info
         Tracked flow resources: basic
       Untracked flow resources: dsfield,ctime,lseen,projid,uid

    最後の 4 つのエントリ以外はすべて、Solaris のリソースマネージャー機能で使用されます。次の表では、IPQoS に固有のエントリについて説明します。

    エントリ 

    説明 

    Flow accounting: active

    フローアカウンティングが有効になっていることを示す 

    Flow accounting file: /var/ipqos/goldweb/account.info

    現在のフローアカウンティングファイルの名前を示す 

    Tracked flow resources: basic

    基本フロー属性だけが記録されることを示す 

    Untracked flow resources: dsfield,ctime,lseen,projid,uid

    ファイルに記録されない flowacct の属性を示す

  4. (オプション) 拡張属性をアカウンティングファイルに追加します。


    # acctadm -e extended -f /var/ipqos/goldweb/account.info flow
  5. (オプション) 基本属性だけがアカウンティングファイルに記録されるような設定に戻します。


    # acctadm -d extended -e basic -f /var/ipqos/goldweb/account.info

    -d オプションによって拡張アカウンティングが無効になります。

  6. フローアカウンティングファイルの内容を参照します。

    フローアカウンティングファイルの内容の参照方法については、『Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)』「libexacct に対する Perl インタフェース」を参照してください。

参照