Solaris のシステム管理 (IP サービス)

クラシファイア (ipgpc) の概要

Diffserv モデルでは、「クラシファイア」がネットワークトラフィックフローからパケットを選択します。「トラフィックフロー」は、次の IP ヘッダーフィールド内に同一の情報を持つパケットのグループで構成されます。

IPQoS では、これらのフィールドを「5 タプル」と呼びます。

IPQoS のクラシファイアモジュールの名前は ipgpc です。ipgpcクラシファイアは、トラフィックフローを、IPQoS 構成ファイルに設定されている特性に基づいたクラスに分類します。

ipgpc の詳細については、「クラシファイアモジュール」を参照してください。

IPQoS クラス

クラス」とは、似たような特性を共有するネットワークフローのグループのことです。たとえば、ISP は、顧客に提供するさまざまなサービスレベルを表すクラスを定義できます。一方、ASP は、アプリケーションごとに異なるサービスレベルを提供する SLA を定義できます。ASP の QoS ポリシーでは、特定の着信先 IP アドレス宛ての発信 FTP トラフィックを 1 つのクラスにまとめることができます。ある企業の外部 Web サイトからの発信トラフィックも、1 つのクラスとして定義できます。

トラフィックをいくつかのクラスに分類することは、QoS ポリシーを計画する際に欠かせない作業の 1 つです。ipqosconf ユーティリティーを使用してクラスを作成するときは、実際にはipgpc クラシファイアを構成しています。

クラスを定義するには、「QoS ポリシーのクラスを定義する方法」を参照してください。

IPQoS フィルタ

フィルタ」は、「セレクタ」と呼ばれるパラメータを含む規則のセットです。各フィルタは、必ず 1 つのクラスを指定する必要があります。IPQoS は、パケットを各フィルタのセレクタと突き合わせて、パケットがフィルタのクラスに属しているかどうかを調べます。さまざまなセレクタを使用してパケットにフィルタをかけることができます。セレクタの例として、IPQoS 5 タプルなどのよく使うパラメータを次に示します。

たとえば、簡単なフィルタに値が 80 の宛先ポートが含まれているとします。ipgpc クラシファイアは、宛先ポート 80 (HTTP) 向けのパケットをすべて選択し、QoS ポリシーの指示どおりに選択したパケットを処理します。

フィルタの作成については、「QoS ポリシーにフィルタを定義する方法」を参照してください。