Solaris のシステム管理 (IP サービス)

ネットワーク状態表示の管理と記録

次の作業に、一般的なネットワークコマンドを使用して、ネットワークの状態をチェックする方法を示します。

ProcedureIP 関連コマンドの表示出力を制御する方法

netstat コマンドと ifconfig コマンドの出力を制御すると、IPv4 情報だけを表示したり、IPv4 と IPv6 の両方の情報を表示したりできます。

  1. /etc/default/inet_type ファイルを作成します。

  2. ネットワークの要求に基づいて、次のエントリのうちの 1 つを/etc/default/inet_type ファイルに追加します。

    • IPv4 情報だけを表示するには、次のように入力します。


      DEFAULT_IP=IP_VERSION4
    • IPv4 情報と IPv6 情報を表示するには、次のいずれかを入力します。


      DEFAULT_IP=BOTH

      または


      DEFAULT_IP=IP_VERSION6

      inet_type ファイルの詳細については、inet_type(4) のマニュアルページを参照してください。


    注 –

    ifconfig コマンドの -4 フラグと -6 フラグの設定は、inet_type ファイルに設定された値より優先します。また、netstat コマンドの -f フラグの設定も、inet_type ファイルに設定された値より優先します。



例 8–14 IPv4 情報と IPv6 情報を選択する出力の制御


ProcedureIPv4 経路制御デーモンの活動を記録する方法

IPv4 経路制御デーモン routed の動作が疑わしい場合、このデーモンの活動をトレースするログを開始できます。routed デーモンを起動すると、このログにはすべてのパケット転送が記録されます。

  1. ローカルホスト上で、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. 経路制御デーモンの活動のログファイルを作成します。


    # /usr/sbin/in.routed /var/log-file-name
    

    注意 – 注意 –

    ビジー状態のネットワークでは、このコマンドによりほとんど絶え間なく出力が生じることがあります。



例 8–15 in.routed デーモンのネットワークログ

次の例に、「IPv4 経路制御デーモンの活動を記録する方法」の手順で作成したログの開始部分を示します。


-- 2003/11/18 16:47:00.000000 --
Tracing actions started
RCVBUF=61440
Add interface lo0  #1   127.0.0.1      -->127.0.0.1/32   
   <UP|LOOPBACK|RUNNING|MULTICAST|IPv4> <PASSIVE> 
Add interface hme0 #2   10.10.48.112    -->10.10.48.0/25   
    <UP|BROADCAST|RUNNING|MULTICAST|IPv4> 
turn on RIP
Add    10.0.0.0        -->10.10.48.112      metric=0  hme0  <NET_SYN>
Add    10.10.48.85/25  -->10.10.48.112      metric=0  hme0  <IF|NOPROP>

ProcedureIPv6 近傍検索デーモンの活動をトレースする方法

IPv6 の in.ndpd デーモンの動作が疑わしい場合、このデーモンの活動をトレースするログを開始できます。中断されるまで、トレースの結果は標準出力に表示されます。in.ndpd デーモンを起動すると、このトレースにはすべてのパケット転送が記録されます。

  1. IPv6 のローカルノード上で、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. in.ndpd デーモンのトレースを起動します。


    # /usr/lib/inet/in.ndpd -t
    
  3. トレースを終了するには、Ctrl-C を押します。


例 8–16 in.ndpd デーモンのトレース

次の例に、in.ndpd のトレースの開始部分を示します。


# /usr/lib/inet/in.ndpd -t
Nov 18 17:27:28 Sending solicitation to  ff02::2 (16 bytes) on hme0
Nov 18 17:27:28         Source LLA: len 6 <08:00:20:b9:4c:54>
Nov 18 17:27:28 Received valid advert from fe80::a00:20ff:fee9:2d27 (88 bytes) on hme0
Nov 18 17:27:28         Max hop limit: 0
Nov 18 17:27:28         Managed address configuration: Not set
Nov 18 17:27:28         Other configuration flag: Not set
Nov 18 17:27:28         Router lifetime: 1800
Nov 18 17:27:28         Reachable timer: 0
Nov 18 17:27:28         Reachable retrans timer: 0
Nov 18 17:27:28         Source LLA: len 6 <08:00:20:e9:2d:27>
Nov 18 17:27:28         Prefix: 2001:08db:3c4d:1::/64
Nov 18 17:27:28                 On link flag:Set
Nov 18 17:27:28                 Auto addrconf flag:Set
Nov 18 17:27:28                 Valid time: 2592000
Nov 18 17:27:28                 Preferred time: 604800
Nov 18 17:27:28         Prefix: 2002:0a00:3010:2::/64
Nov 18 17:27:28                 On link flag:Set
Nov 18 17:27:28                 Auto addrconf flag:Set
Nov 18 17:27:28                 Valid time: 2592000
Nov 18 17:27:28                 Preferred time: 604800