次の作業に、一般的なネットワークコマンドを使用して、ネットワークの状態をチェックする方法を示します。
netstat コマンドと ifconfig コマンドの出力を制御すると、IPv4 情報だけを表示したり、IPv4 と IPv6 の両方の情報を表示したりできます。
/etc/default/inet_type ファイルを作成します。
ネットワークの要求に基づいて、次のエントリのうちの 1 つを/etc/default/inet_type ファイルに追加します。
IPv4 情報だけを表示するには、次のように入力します。
DEFAULT_IP=IP_VERSION4 |
IPv4 情報と IPv6 情報を表示するには、次のいずれかを入力します。
DEFAULT_IP=BOTH |
または
DEFAULT_IP=IP_VERSION6 |
inet_type ファイルの詳細については、inet_type(4) のマニュアルページを参照してください。
ifconfig コマンドの -4 フラグと -6 フラグの設定は、inet_type ファイルに設定された値より優先します。また、netstat コマンドの -f フラグの設定も、inet_type ファイルに設定された値より優先します。
DEFAULT_IP=BOTH 変数または DEFAULT_IP=IP_VERSION6 変数を inet_type ファイルで設定する場合、次の出力が得られます。
% ifconfig -a lo0: flags=1000849 mtu 8232 index 1 inet 10.10.0.1 netmask ff000000 qfe0: flags=1000843 mtu 1500 index 2 inet 10.46.86.54 netmask ffffff00 broadcast 10.46.86.255 ether 8:0:20:56:a8 lo0: flags=2000849 mtu 8252 index 1 inet6 ::1/128 qfe0: flags=2000841 mtu 1500 index 2 ether 8:0:20:56:a8 inet6 fe80::a00:fe73:56a8/10 qfe0:1: flags=2080841 mtu 1500 index 2 inet6 2001:db8:3c4d:5:a00:fe73:56a8/64 |
DEFAULT_IP=IP_VERSION4 変数または DEFAULT_IP=IP_VERSION6 変数を inet_type ファイルで設定する場合、次の出力が得られます。
% ifconfig -a lo0: flags=849 mtu 8232 inet 10.10.0.1 netmask ff000000 qfe0: flags=843 mtu 1500 inet 10.46.86.54 netmask ffffff00 broadcast 10.46.86.255 ether 8:0:20:56:a8 |
IPv4 経路制御デーモン routed の動作が疑わしい場合、このデーモンの活動をトレースするログを開始できます。routed デーモンを起動すると、このログにはすべてのパケット転送が記録されます。
ローカルホスト上で、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。
Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。
経路制御デーモンの活動のログファイルを作成します。
# /usr/sbin/in.routed /var/log-file-name |
ビジー状態のネットワークでは、このコマンドによりほとんど絶え間なく出力が生じることがあります。
次の例に、「IPv4 経路制御デーモンの活動を記録する方法」の手順で作成したログの開始部分を示します。
-- 2003/11/18 16:47:00.000000 -- Tracing actions started RCVBUF=61440 Add interface lo0 #1 127.0.0.1 -->127.0.0.1/32 <UP|LOOPBACK|RUNNING|MULTICAST|IPv4> <PASSIVE> Add interface hme0 #2 10.10.48.112 -->10.10.48.0/25 <UP|BROADCAST|RUNNING|MULTICAST|IPv4> turn on RIP Add 10.0.0.0 -->10.10.48.112 metric=0 hme0 <NET_SYN> Add 10.10.48.85/25 -->10.10.48.112 metric=0 hme0 <IF|NOPROP> |
IPv6 の in.ndpd デーモンの動作が疑わしい場合、このデーモンの活動をトレースするログを開始できます。中断されるまで、トレースの結果は標準出力に表示されます。in.ndpd デーモンを起動すると、このトレースにはすべてのパケット転送が記録されます。
IPv6 のローカルノード上で、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。
Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。
in.ndpd デーモンのトレースを起動します。
# /usr/lib/inet/in.ndpd -t |
トレースを終了するには、Ctrl-C を押します。
次の例に、in.ndpd のトレースの開始部分を示します。
# /usr/lib/inet/in.ndpd -t Nov 18 17:27:28 Sending solicitation to ff02::2 (16 bytes) on hme0 Nov 18 17:27:28 Source LLA: len 6 <08:00:20:b9:4c:54> Nov 18 17:27:28 Received valid advert from fe80::a00:20ff:fee9:2d27 (88 bytes) on hme0 Nov 18 17:27:28 Max hop limit: 0 Nov 18 17:27:28 Managed address configuration: Not set Nov 18 17:27:28 Other configuration flag: Not set Nov 18 17:27:28 Router lifetime: 1800 Nov 18 17:27:28 Reachable timer: 0 Nov 18 17:27:28 Reachable retrans timer: 0 Nov 18 17:27:28 Source LLA: len 6 <08:00:20:e9:2d:27> Nov 18 17:27:28 Prefix: 2001:08db:3c4d:1::/64 Nov 18 17:27:28 On link flag:Set Nov 18 17:27:28 Auto addrconf flag:Set Nov 18 17:27:28 Valid time: 2592000 Nov 18 17:27:28 Preferred time: 604800 Nov 18 17:27:28 Prefix: 2002:0a00:3010:2::/64 Nov 18 17:27:28 On link flag:Set Nov 18 17:27:28 Auto addrconf flag:Set Nov 18 17:27:28 Valid time: 2592000 Nov 18 17:27:28 Preferred time: 604800 |