Solaris のシステム管理 (IP サービス)

デュアルスタックプロトコル

デュアルスタック」とは、アプリケーションからネットワーク層に至るプロトコルスタックのすべてのレベルの完全な複製をいいます。完全な複製の例として、OSI プロトコルとTCP/IP プロトコルを両方とも実行するシステムがあります。

Oracle Solaris は「デュアルスタック」です。これは、Oracle Solaris で IPv4 プロトコルと IPv6 プロトコルの両方が実装されていることを意味します。オペレーティングシステムをインストールするとき、IPv6 プロトコルを IP 層で有効にするか、デフォルトの IPv4 プロトコルだけを使用するかを選択できます。TCP/IP スタックの残りは同じです。結果として、同じ転送プロトコル、TCP、UDP、および SCTP を IPv4 と IPv6 の両方で実行できます。また、同じアプリケーションを IPv4 と IPv6 の両方で実行できます。図 11–4 は、インターネットプロトコル群のさまざまな層において、IPv4 プロトコルと IPv6 プロトコルがデュアルスタックとしてどのように機能するかを示しています。

図 11–4 デュアルスタックプロトコルアーキテクチャー

IPv4 プロトコルおよび IPv6 プロトコルがさまざまな OSI 層でデュアルスタックとして機能することを示しています。

デュアルスタックシナリオでは、ホストとルーターの両方のサブネットは、IPv4 に加えて、IPv6 をサポートするようにアップグレードされます。デュアルスタックアプローチによって、アップグレードしたノードは、IPv4 を使用して IPv4 専用ノードと常に相互運用できます。