この項では、モバイル IP の準備と /etc/inet/mipagent.conf ファイルの作成を行います。
mipagent.conf ファイルを初めて構成する場合は、次の作業を行う必要があります。
ホストに対する組織の要件に従って、モバイル IP エージェントで提供する機能を決めます。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを作成し、この節で説明する手順に従って必要な設定を入力します。次に示すファイルの 1 つを /etc/inet/mipagent.conf にコピーし、要求条件に応じて変更することもできます。
外来エージェント機能用には、/etc/inet/mipagent.conf.fa-sample をコピーします。
ホームエージェント機能用には、/etc/inet/mipagent.conf.ha-sample をコピーします。
外来エージェントとホームエージェントの両機能用には、/etc/inet/mipagent.conf-sample をコピーします。
システムをリブートすることによって、mipagent デーモンを起動するブートスクリプトを起動できます。あるいは、次のコマンドを使って mipagent を起動することもできます。
# /etc/inet.d/mipagent start |
モバイル IP を使用可能にしたいシステムで、Primary Administrator の役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。
Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。
次のオプションの 1 つを使って /etc/inet/mipagent.conf ファイルを作成します。
構成条件に応じて /etc/inet/mipagent.conf ファイル内に構成パラメータを追加または変更します。
次の各手順では、/etc/inet/mipagent.conf 内のセクションをどのようにして変更するかについて説明します。
前の手順で /etc/inet ディレクトリにあるサンプルファイルをコピーしたのであれば、この手順を行う必要はありません。サンプルファイルには、この項目がすでに含まれているからです。このセクションで使用するラベルや値の説明については、「General セクション」を参照してください。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集して次の行を追加します。
[General] Version = 1.0 |
/etc/inet/mipagent.conf ファイルには、この項目が含まれていなければなりません。
このセクションで使用するラベルや値の説明については、「Advertisements セクション」を参照してください。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集し、構成に必要な設定値を使用して次の行を追加または変更します。
[Advertisements interface] HomeAgent = <yes/no> ForeignAgent = <yes/no> PrefixFlags = <yes/no> AdvertiseOnBcast = <yes/no> RegLifetime = n AdvLifetime = n AdvFrequency = n ReverseTunnel = <yes/no/FA/HA/both> ReverseTunnelRequired = <yes/no/FA/HA> |
モバイルIP サービスを提供するローカルホストの各インタフェースには、それぞ れ異なる Advertisements セクションを指定しなければなりません。
このセクションで使用されるラベルと値の説明については、「GlobalSecurityParameters セクション」を参照してください。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集し、構成に必要な設定値を使用して次の行を追加または変更します。
[GlobalSecurityParameters] MaxClockSkew = n HA-FAauth = <yes/no> MN-FAauth = <yes/no> Challenge = <yes/no> KeyDistribution = files |
このセクションで使用されるラベルと値の説明については、「Pool セクション」を参照してください。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集します。
次の行を追加または変更して、構成に必要な値を指定します。
[Pool pool-identifier] BaseAddress = IP-address Size = size |
このセクションで使用するラベルや値の説明については、「SPI セクション」を参照してください。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集します。
次の行を追加または変更して、構成に必要な値を指定します。
[SPI SPI-identifier] ReplayMethod = <none/timestamps> Key = key |
配置した各セキュリティーコンテキストに対して異なる SPI セクションを指定しなければなりません。
このセクションで使用するラベルや値の説明については、「Address セクション」を参照してください。
/etc/inet/mipagent.conf ファイルを編集します。
次の行を追加または変更して、構成に必要な値を指定します。
[Address address] Type = node SPI = SPI-identifier |
エージェントの場合は、次のようにします。
[Address address] Type = agent SPI = SPI-identifier |
自身の NAI によって識別されるモバイルノードの場合は、次のようにします。
[Address NAI] Type = Node SPI = SPI-identifier Pool = pool-identifier |
デフォルトモバイルノードの場合は、次のようにします。
[Address Node-Default] Type = Node SPI = SPI-identifier Pool = pool-identifier |