モバイル IP は、気付アドレスを取得するために次の代替モードを提供します。
外来エージェントは、エージェント通知メッセージを通してモバイルノードに通知される「外来エージェント気付アドレス」を提供します。通常、気付アドレスは、その通知を送信する外来エージェントの IP アドレスです。この場合、外来エージェントはトンネルのエンドポイントです。外来エージェントはトンネルを経由してデータグラムを受信し、そのデータグラムのカプセル化を解除します。そのあと、内部データグラムをモバイルノードに配信します。その結果、多数のモバイルノードが共存気付アドレスを共有できます。帯域幅は無線リンクでは重要です。モバイル IP サービスを高帯域幅の固定リンクに提供できる外来エージェントの中では、無線リンクがかなり有効です。
モバイルノードは、なんらかの外部的な手段で「共存気付アドレス」をローカル IP アドレスとして取得します。そのあと、モバイルノードはこのアドレスをモバイルノードのネットワークインタフェースの1 つに関連付けます。また、DHCP を使ってこのアドレスを一時的アドレスとして取得することもできます。このアドレスを、モバイルノードが長期間アドレスとして所有する場合もあります。さらに、このアドレスが属するサブネットに移動している間だけそのアドレスを使用する場合もあります。共存気付アドレスを使用する場合、モバイルノードはトンネルの終点として機能します。その上、モバイルノードにトンネリングされたデータグラムのカプセル化を解除します。
共存気付アドレスにより、モバイルノードは外来エージェントなしで機能できます。その結果、モバイルノードは外来エージェントを配置していないネットワークで共存気付アドレスを使用できます。
共存気付アドレスをモバイルノードが使用している場合、モバイルノードはその気付アドレスのネットワーク接頭辞によって識別されるリンク上になければなりません。リンク上にないと、その気付アドレス宛てのデータグラムを配信できません。