Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

優先ルール

    nfsmapid が正しく動作するには、NFS version 4 のクライアントとサーバーが同じドメインに割り当てられている必要があります。NFS version 4 ドメインが確実に一致するように、nfsmapid は次の厳密な優先ルールに従って動作します。

  1. デーモンは、NFSMAPID_DOMAIN キーワードに割り当てられた値を /etc/default/nfs ファイルで最初に確認します。値が検出された場合、その割り当てられている値は他の設定よりも優先されます。割り当てられている値は、発信属性文字列に追加され、着信属性文字列と比較されます。/etc/default/nfs ファイル内のキーワードの詳細は、/etc/default/nfs ファイルのキーワード」を参照してください。手順については、「NFS サービスの設定」を参照してください。


    注 –

    NFSMAPID_DOMAIN 設定を使用する方法はスケーラブルではないため、大規模な配備を行う場合には推奨されません。


  2. 値が NFSMAPID_DOMAIN に割り当てられていない場合、デーモンは DNS TXT RR でドメイン名を確認します。nfsmapid は、resolver の一連のルーチンによって使用される /etc/resolv.conf ファイル内の指令に依存します。resolver は、設定されている DNS サーバーから _nfsv4idmapdomain TXT RR を検索します。DNS TXT レコードを使用する方がよりスケーラブルです。このため、/etc/default/nfs ファイルにキーワードを設定するよりも、TXT レコードを継続して使用する方がよいでしょう。

  3. ドメイン名を提供する DNS TXT レコードが設定されていない場合、nfsmapid デーモンは /etc/resolv.conf ファイル内の domain または search 指令で指定された値を使用します。このとき、最後に指定された指令が優先されます。

    次の例では、domain および search の両方の指令が使用されています。nfsmapid デーモンは、search 指令のあとに最初に記載されているドメイン名である company.com を使用します。


    domain example.company.com
    search company.com foo.bar.com
  4. /etc/resolv.conf ファイルが存在しない場合、nfsmapiddomainname コマンドの動作に従って NFS version 4 ドメインの名前を取得します。より詳しく説明すると、/etc/defaultdomain ファイルが存在する場合には、nfsmapid は NFS version 4 ドメインのためにそのファイルの内容を使用します。/etc/defaultdomain ファイルが存在しない場合には、nfsmapid はネットワークに設定されているネームサービスから渡されるドメイン名を使用します。詳細は、domainname(1M) のマニュアルページを参照してください。