Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

nfsmapid と DNS TXT レコード

DNS は汎用性が高いので、NFS version 4 のドメイン名を格納して配布するための効率的な機構です。また、DNS は本質的にスケーラブルなので、DNS TXT リソースレコードを使用する方法は、大規模な配備の NFS version 4 のドメインを設定するうえで、もっとも推奨される方法です。エンタープライズレベルの DNS サーバーでは、_nfsv4idmapdomain TXT レコードを設定するようにしてください。このように設定すれば、NFS version 4 のクライアントまたはサーバーは DNS ツリーをたどることによって NFS version 4 ドメインを見つけることができます。

DNS サーバーから NFS version 4 のドメイン名を提供するように設定するときは、次の例のように入力することをお勧めします。


_nfsv4idmapdomain		IN		TXT			"foo.bar"

この例では、設定されるドメイン名は、二重引用符で囲まれている値です。ttl フィールドが指定されていないことと、ドメインが owner フィールドの値である _nfsv4idmapdomain に追加されていないことに注意してください。この設定により、TXT レコードで、Start-Of-Authority (SOA) レコードのゾーンの ${ORIGIN} エントリを使用できるようになります。たとえば、さまざまなレベルのドメイン名前空間で、レコードは次のように読み取ることができます。


_nfsv4idmapdomain.subnet.yourcorp.com.    IN    TXT    "foo.bar"
_nfsv4idmapdomain.yourcorp.com.           IN    TXT    "foo.bar"

この設定では、DNS クライアントが DNS ツリー階層を検索するときに、resolv.conf ファイルを使用して柔軟に検索することができます。resolv.conf(4) のマニュアルページを参照してください。この機能により、TXT レコードの検索での確率がより高くなります。柔軟性の向上により、低いレベルの DNS サブドメインが、自身の DNS TXT リソースレコード (RR) を定義できるようになりました。この機能により、低いレベルの DNS サブドメインを、高いレベルの DNS ドメインの定義した TXT レコードに優先させることができます。


注 –

TXT レコードで指定したドメインには、任意の文字列を使用できます。この文字列は、NFS version 4 を使用するクライアントとサーバーの DNS ドメインと同じである必要はありません。 NFS version 4 データをほかの DNS ドメインと共有しないようにするオプションがあります。