Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

SLP プロパティーの構成

SLP 構成プロパティーは、ネットワークの相互作用、SLP エージェントの特性、状態、およびログを制御します。ほとんどの場合、これらのプロパティーのデフォルトの構成は変更する必要がありません。ただし、ネットワークの媒体またはトポロジが変更されて、次のことを行うためには、この章の手順を使用します。

SLP 構成ファイル /etc/inet/slp.conf を編集すると、次の表に示す処理を行うことができます。

表 9–1 SLP 構成の操作

操作 

説明 

slpd が DA サーバーと SA サーバーのどちらで機能するかを指定します。SA サーバーがデフォルトです。

net.slpisDA プロパティーに True を設定します。

マルチキャストメッセージのタイミングを設定します。 

net.slp.DAHeartBeat プロパティーを設定して、非要請 DA 通知を DA がマルチキャストする回数を制御します。

DA ロギングを使用可能にしてネットワークトラフィックを監視します。 

net.slp.traceDATraffic プロパティーに True を設定します。

SLP 構成ファイルの基本要素

/etc/inet/slp.conf ファイルは、SLP デーモンを再起動するたびにすべての SLP 動作を定義して起動します。構成ファイルは次の要素から成ります。

設定プロパティー

net.slp.isDAnet.slp.DAHeartBeat などのすべての基本的な SLP プロパティーは、次の書式で名前が付けられています。


net.slp.<keyword>

SLP の動作は、slp.conf ファイル内のプロパティーの値またはプロパティーの組み合わせによって定義されます。プロパティーは、SLP 構成ファイル内でキーと値の対で構成されています。次の例に示すように、キーと値の対は、プロパティー名とその設定値で構成されています。


<property name>=<value>

各プロパティーのキーはプロパティー名です。値はプロパティーに、数値 (間隔または時間)、真偽の状態、または文字列値のパラメータを設定します。プロパティーの値は次のデータ型の 1 つで構成されます。

定義した値が許可されていない場合は、そのプロパティー名のデフォルト値が使用されます。さらに、syslog を使用してエラーメッセージが記録されます。

コメント行と注釈

slp.conf ファイルにコメントを追加して、その行の性質および機能を説明できます。コメント行はファイルに任意に書き込めるので、管理する上で役立ちます。


注 –

構成ファイル内の設定には、大文字と小文字の区別がありません。詳細は、 Guttman、Erik、James Kempf、Charles Perkins 著、 Internet Engineering Task Force (IETF) 発行の『Service Templates and service: scheme RFC 2609』を参照してください。[ http://www.ietf.org/rfc/rfc2609.txt]


ProcedureSLP 構成の変更方法

SLP 構成ファイルのプロパティー設定を変更するには、次の手順を実行します。SLP を使用できるクライアントまたはサービスソフトウェアは、SLP API を使用して、SLP 構成も変更できます。API については、Internet Engineering Task Force (IETF) 発行の『An API for Service Location, RFC 2614』を参照してください。[http://www.ietf.org/rfc/rfc2614.txt ]

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. ホスト上の slpd とすべての SLP 動作を停止します。


    # svcadm disable network/slp
    
  3. 構成の設定を変更する前に、デフォルトの /etc/inet/slp.conf ファイルのバックアップをとります。

  4. 必要に応じて、/etc/inet/slp.conf ファイルのプロパティー設定を編集します。

    SLP プロパティーの設定については、「設定プロパティー」を参照してください。slp.conf プロパティーを変更する別の例については、後述の各節を参照してください。slp.conf(4) のマニュアルページを参照してください。

  5. 変更を保存し、ファイルを閉じます。

  6. 変更を反映するには、slpd を再起動します。


    # svcadm enable network/slp
    

    注 –

    slpd を停止または起動するとき、SLP デーモンは構成ファイルから情報を取得します。



例 9–1 slpd が DA サーバーとして動作するように設定する

slpd.conf ファイルの net.slp.isDA プロパティーに Trueを設定して、slpd が DA サーバーとして動作するように SA サーバーのデフォルトを変更できます。


net.slp.isDA=True

各領域で、各種のプロパティーが構成の異なる場合を制御します。以降の各節では、SLP 構成で使用するデフォルトのプロパティー設定を変更するさまざまなシナリオについて説明します。