Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

マルチキャストの有効期限プロパティーの構成

マルチキャストの有効期限プロパティー (net.slp.multicastTTL) によって、マルチキャストパケットがイントラネット内で伝達される範囲が決まります。マルチキャスト TTL は net.slp.multicastTTL プロパティーを 1 から 255 までの整数に設定することにより構成されます。マルチキャスト TTL のデフォルト値は 255 で、これは理論的にはパケット経路が無制限であることを意味します。しかし、TTL を 255 とすると、マルチキャストパケットがイントラネットを超えて管理ドメインの端にある境界ルーターまで進む原因になります。マルチキャストパケットがインターネットのマルチキャストバックボーンまたは ISP に漏れないようにするには、境界ルーター上のマルチキャストが正しく構成されている必要があります。

マルチキャスト TTL のスコープ設定は、TTL 比較が行われることを除いて、標準的な IP の TTL と似ています。マルチキャストを実行できるルーター上の各インタフェースには、TTL 値が割り当てられています。マルチキャストパケットが着信すると、ルーターはパケットの TTL をインタフェースの TTL と比較します。パケットの TTL がインタフェースの TTL 値と同じかそれより大きい場合は、標準的な IP の TTL の場合と同じように、パケットの TTL を 1 減らします。TTL がゼロになると、そのパケットは破棄されます。SLP マルチキャストに TTL スコープを使用する場合、パケットをイントラネットの特定のサブセクションに限定するために、ルーターが正しく構成されている必要があります。