Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

DA の配置とスコープ名の割り当て

マルチホームホストを持つネットワーク上で DA の配置とスコープ名の割り当てを行う場合は、クライアントがアクセス可能なサービスを確実に取得できるように注意してください。経路指定が無効で net.slp.interfaces プロパティーが構成されている場合は特に注意してください。また、マルチホームマシン上のインタフェース間でユニキャストルーティングが有効な場合は、特別な DA やスコープを構成する必要はありません。これは、DA にキャッシュされている通知が任意のサブネットからアクセス可能なサービスを識別するためです。ただし、ユニキャストルーティングが無効な場合は、DA をうまく配置しないと問題になることがあります。

前述の例で何が問題になりうるかを見るために、bigguy が DA を実行し、すべてのサブネット上のクライアントが同じスコープを持つ場合に何が起こるかを考えてみます。サブネット 143 上の SA はサービス通知を DA に登録します。サブネット 144 上の UA は、サブネット 143 上のホストに到達できなくても、それらのサービス通知を入手できます。

この問題の 1 つの解決方法は、マルチホームホスト上ではなく、各サブネット上で DA を実行することです。この場合は、マルチホームホスト上の net.slp.interfaces プロパティーを、単一のインタフェースホスト名またはアドレスを使って構成するか、構成しないでそのままにし、強制的にデフォルトのインタフェースを使用するようにします。この解決方法の欠点は、通常大規模なマシンであり、DA として高機能であるマルチホームホストを DA に設定できないことです。

もう 1 つの解決方法は、マルチホームホスト上で DA を実行するが、各サブネット上の SA および UA が異なるスコープを持つようにスコープを構成することです。たとえば、前述の場合、142 サブネット上の UA と SA がスコープ scope142 を持つようにスコープを構成することができます。143 サブネット上の UA と SA は、scope143 という別のスコープを持ち、144 サブネット上の UA と SA は scope144 という別のスコープを持つように構成することができます。3 つのインタフェースを持つ bigguy 上の net.slp.interfaces プロパティーを構成して、DA を 3 つのサブネット上の 3 つのスコープに作用させることができます。