Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

Procedureメールサーバーを設定する方法

メールサーバーはローカルユーザーにメールサービスを提供するだけなので、設定には特別な手順は必要ありません。ユーザーはパスワードファイルまたは名前空間にエントリが必要です。さらに、メールが配信されるためには、ユーザーはローカルのホームディレクトリを用意して、~/.forward ファイルを確認する必要があります。このため、ホームディレクトリサーバーがしばしばメールサーバーとして設定されます。メールサーバーについては、「ハードウェアコンポーネント」第 14 章メールサービス (リファレンス)でさらに詳しく説明します。

メールサーバーは、メールクライアント宛てにメールを経路指定します。このタイプのメールサーバーは、クライアントのメールボックス用に十分なスプール空間が必要です。


注 –

mail.local プログラムは、メッセージがはじめて配信された時に /var/mail ディレクトリでメールボックスを自動的に作成します。メールクライアントの個々のメールボックスを作成する必要はありません。

クライアントが自分のメールボックスにアクセスするには、/var/mail ディレクトリをリモートマウントに利用できなければなりません。または、POP (Post Office Protocol)、IMAP (Internet Message Access Protocol) などのサービスをサーバーから利用できなければなりません。次では、/var/mail ディレクトリを使ってメールサーバーを設定する方法を示します。このマニュアルでは、POP または IMAP の構成方法については説明しません。


次の作業のために、/var/mail ディレクトリがエクスポートされていることを /etc/dfs/dfstab ファイルで確認します。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. sendmail を停止します。


    # svcadm disable -t network/smtp:sendmail
    
  3. /var/mail ディレクトリをリモートアクセスに使用できるかどうかを確認します。


    # share
    

    /var/mail ディレクトリが表示された場合は、手順 5 に進みます。

    /var/mail ディレクトリが表示されない場合、あるいはリストが表示されない場合は、該当する手順に進みます。

    1. (省略可能) リストが表示されない場合は、NFS サービスを起動します。

      「ファイルシステム自動共有を設定する方法」の手順に従って、/var/mail ディレクトリを使用して NFS サービスを起動します。

    2. (省略可能) /var/mail ディレクトリがリストに含まれていない場合は、/var/mail ディレクトリを /etc/dfs/dfstab に追加します。

      /etc/dfs/dfstab ファイルに次のコマンド行を追加します。


      share -F nfs -o rw /var/mail
      
  4. ファイルシステムをマウントできるようにします。


    # shareall
    
  5. ネームサービスが起動されていることを確認します。

    1. (省略可能) NIS を実行している場合は、次のコマンドを使用します。


      # ypwhich
      

      詳細は、ypwhich(1) のマニュアルページを参照してください。

    2. (省略可能) NIS+ を実行している場合は、次のコマンドを使用します。


      # nisls
      

      詳細は、nisls(1) のマニュアルページを参照してください。

    3. (省略可能) DNS を実行している場合は、次のコマンドを使用します。


      # nslookup hostname
      
      hostname

      ホスト名を指定します。

      詳細は、nslookup(1M) のマニュアルページを参照してください。

    4. (省略可能) LDAP を実行している場合は、次のコマンドを使用します。


      # ldaplist
      

      詳細は、ldaplist(1) のマニュアルページを参照してください。

  6. sendmail を再起動します。


    # svcadm enable network/smtp:sendmail