Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

メールサーバー

メールボックス」は、特定のユーザーの電子メールを含む単一のファイルです。メールは、ローカルマシンまたはリモートサーバーのユーザーのメールボックスが存在するシステムに配信されます。「メールサーバー」は、/var/mail ディレクトリにユーザーのメールボックスを保持しているいずれかのシステムになります。作業手順については、「メールサーバーを設定する方法」第 13 章メールサービス (手順)を参照してください。

メールサーバーはクライアントからすべてのメールをルーティングします。クライアントがメールを送信すると、メールサーバーは配信のためにそのメールをキューに入れます。メールがキューに入れられたら、ユーザーはこれらのメールメッセージを失わずに、クライアントをリブートしたり、電源を切ったりすることができます。受信者がクライアントからメールを受け取ると、メッセージの From 行のパスには、メールサーバー名が含まれます。受信者が応答すると、その応答はユーザーのメールボックスに送られます。メールサーバーとして適しているのは、ユーザーにホームディレクトリを提供するシステムか、定期的にバックアップされるシステムです。

メールサーバーがユーザーのローカルシステムでない場合、構成内で NFS ソフト ウェアを使用するユーザーは、root アクセスがあれば、/etc/vfstab ファイルを使用することによって、/var/mail ディレクトリをマウントできます。それ以外の場合は、オートマウンタを使用できます。NFS サポートが利用できない場合、ユーザーはサーバーにログインしてメールを読み込めます。

ネットワーク上のユーザーが、オーディオファイル、DTP システムからのファイルなどほかの形式のファイルを送信する場合は、メールボックスのメールサーバーには、さらに多くの領域を割り当てる必要があります。

全メールボックス用に 1 台のメールサーバーを設定すると、バックアップ作業が簡単になります。メールが多くのシステムに分散しているとバックアップ作業が困難になる場合があります。1 台のサーバーに多くのメールボックスを保存する場合の短所は、サーバーに障害が発生した場合に多くのユーザーが影響を受けることです。ただし、十分なバックアップ機能を提供すれば、1 台のサーバーを採用する価値があります。