Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

FTP サーバーの自動起動

FTP サーバーを起動するには、次の 3 つの方法があります。

スタンドアロンサーバーの応答時間は常に可能なかぎり最短であり、FTP サービス専用の大規模サーバー向けです。スタンドアロンサーバーは一切再起動する必要がないので、専用サーバーに適した短い接続待ち時間を実現します。スタンドアロンサーバーは、混雑していない時間帯も含めて、常に動作しており、永久に接続要求を待ちます。

ProcedureSMF を使用して FTP サーバーを起動する方法

デフォルトでは、SMF サービスは nowait モードで FTP サーバーを起動するように設定されています。サイトで処理する接続が多数になる場合、FTP サーバーをスタンドアロンモードで実行することもできます。その他のコマンド行オプションについては、in.ftpd(1M) のマニュアルページを参照してください。

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. FTP サーバーの wait プロパティーを確認します。

    wait=FALSE の行は、サーバーが nowait モードで起動することを示します。


    # inetadm -l network/ftp
    SCOPE    NAME=VALUE
             name="ftp"
             endpoint_type="stream"
             proto="tcp6"
             isrpc=FALSE
             wait=FALSE
             exec="/usr/sbin/in.ftpd -a"
             user="root"
    default  bind_addr=""
    default  bind_fail_max=-1
    default  bind_fail_interval=-1
    default  max_con_rate=-1
    default  max_copies=-1
    default  con_rate_offline=-1
    default  failrate_cnt=40
    default  failrate_interval=60
    default  inherit_env=TRUE
    default  tcp_trace=FALSE
    default  tcp_wrappers=FALSE
  3. FTP サーバーを起動します。


    # svcadm enable network/ftp
    

ProcedureFTP サーバーをバックグラウンドで起動する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. FTP サーバーを無効にします。


    # svcadm disable network/ftp
    
  3. スタンドアロン FTP サーバーを起動します。


    # /usr/sbin/in.ftpd -a -S
    

    この行を FTP サーバーの起動スクリプトに追加します。システムの起動スクリプト作成についての詳細は、『Solaris のシステム管理 (基本編)』「実行制御スクリプトの使用」を参照してください。

ProcedureFTP サーバーをフォアグラウンドで起動する方法

  1. スーパーユーザーになるか、同等の役割を引き受けます。

    役割には、認証と特権コマンドが含まれます。役割の詳細については、『Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)』「RBAC の構成 (作業マップ)」を参照してください。

  2. FTP サーバーを無効にします。


    # svcadm disable network/ftp
    
  3. サービスを開始するためのエントリを inittab ファイルに追加します。

    次に、/etc/inittab 内の新しいエントリ例を示します。


    ftpd:3:respawn:/usr/sbin/in.ftpd -a -s
    
  4. init を使用し、/etc/inittab をもう一度確認します。

    このコマンドにより、FTP サービスが起動されます。


    # init q