Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

コピー元とコピー先の指定

C シェル内で rcp コマンドを使用すると、絶対パス名または相対パス名を使用して、コピー元 (コピーするファイルやディレクトリ) とコピー先 (ファイルやディレクトリをコピーする場所) を指定できます。

 

絶対パス名 

相対パス名 

ローカルシステムから 

mars:/home/jones/myfile.txt

~jones/myfile.txt

リモートログイン後 

/home/jones/myfile.txt

~jones/myfile.txt

絶対パス名は、特定のシステムにマウントされているファイルやディレクトリを表します。上記の例で、第 1 の絶対パス名は mars システム上のファイル (myfile.txt) を表します。相対パス名は、ファイルやディレクトリがある位置を、ユーザーのホームディレクトリからの相対パスで表します。上記の例で、相対パス名は絶対パスと同じ myfile.txt を表しますが、jones のホームディレクトリを示すために「~」(チルド記号) を使用しています。

~ = mars:/home/jones

上記の 2 行目の例は、リモートログイン後の絶対パス名と相対パス名を示しています。相対パス名では明確な違いは見られません。しかし、リモートログイン操作により、jones のホームディレクトリがローカルシステム上にマウントされた (ローカルユーザーのホームディレクトリと並列に存在する) ので、絶対パス名ではシステム名 mars を指定する必要はありません。リモートログイン操作によって別のユーザーのホームディレクトリがどのようにマウントされるかについては、「リモートログイン後の処理」を参照してください。

次の表に、C シェルが認識する絶対パス名と相対パス名の例を示します。このサンプルでは、次の用語を使用します。

表 29–4 ディレクトリ名とファイル名に使用できる構文

ログイン先 

構文 

説明 

ローカルシステム  

.

ローカルの作業用ディレクトリ 

 

path/filename

ローカルの作業用ディレクトリ内の pathfilename

 

~

現在のユーザーのホームディレクトリ 

 

~/path/filename

現在のユーザーのホームディレクトリの下の pathfilename

 

~user

user のホームディレクトリ

 

~user/path/filename

user のホームディレクトリの下の pathfilename

 

remote-system:path/filename

リモートの作業用ディレクトリ内の pathfilename

リモートシステム 

.

リモートの作業用ディレクトリ 

 

filename

リモートの作業用ディレクトリ内の filename

 

path/filename

リモートの作業用ディレクトリ内の pathfilename

 

~

現在のユーザーのホームディレクトリ 

 

~/path/filename

現在のユーザーのホームディレクトリ内の pathfilename

 

~user

user のホームディレクトリ

 

~/user/path/filename

user のホームディレクトリの下の pathfilename

 

local-system:path/filename

ローカルの作業用ディレクトリ内の pathfilename