初期 Solaris 10 リリースでは、OS インストール後の初回システムリブート中に、ドメインの定義が行われていました。Solaris Express 5/06 リリースでは、OS のインストール中に NFS version 4 ドメインの定義が行われます。この機能を提供するために、次の機能が追加されました。
sysidtool コマンドに sysidnfs4 プログラムが含まれています。このプログラムは、ネットワークの NFS version 4 ドメインが設定済みかどうかを判定するために、インストール処理中に実行されます。sysidtool(1M) および sysidnfs4(1M) のマニュアルページを参照してください。
sysidcfg ファイルに新しいキーワード nfs4_domain が追加されています。このキーワードを使えば、NFS version 4 のドメインを定義できます。sysidcfg ファイルにはほかのキーワードも定義できます。sysidcfg(4) のマニュアルページを参照してください。
次に、この機能の動作手順を説明します。
sysidnfs4 プログラムは /etc/.sysIDtool.state ファイルをチェックし、NFS version 4 ドメインが特定されているかどうかを判定します。
.sysIDtool.state ファイルから、ネットワークの NFS version 4 ドメインが設定されていることが判明すると、sysidnfs4 プログラムはそれ以上のチェックを行いません。次の .sysIDtool.state ファイルの例を参照してください。
1 # System previously configured? 1 # Bootparams succeeded? 1 # System is on a network? 1 # Extended network information gathered? 1 # Autobinder succeeded? 1 # Network has subnets? 1 # root password prompted for? 1 # locale and term prompted for? 1 # security policy in place 1 # NFSv4 domain configured xterms |
# NFSv4 domain configured の前に 1 が表示されていれば、NFS version 4 ドメインが設定されています。
.sysIDtool.state ファイルから、ネットワークの NFS version 4 ドメインが設定されていないことが判明した場合、sysidnfs4 プログラムはさらなるチェックを行う必要があります。次の .sysIDtool.state ファイルの例を参照してください。
1 # System previously configured? 1 # Bootparams succeeded? 1 # System is on a network? 1 # Extended network information gathered? 1 # Autobinder succeeded? 1 # Network has subnets? 1 # root password prompted for? 1 # locale and term prompted for? 1 # security policy in place 0 # NFSv4 domain configured xterms |
# NFSv4 domain configured の前に 0 が表示されていれば、NFS version 4 ドメインは設定されていません。
NFS version 4 ドメインが特定されていない場合、sysidnfs4 プログラムは sysidcfg ファイル内の nfs4_domain キーワードをチェックします。
nfs4_domain の値が存在する場合は、その値が /etc/default/nfs ファイル内の NFSMAPID_DOMAIN キーワードに設定されます。NFSMAPID_DOMAIN に値が設定されると、その値が何であれ、それが nfsmapid デーモンの動的ドメイン選択機能よりも優先されます。nfsmapid の動的ドメイン選択機能の詳細については、「優先ルール」を参照してください。
nfs4_domain の値が存在しない場合、sysidnfs4 プログラムは、オペレーティングシステムの設定済みネームサービスから nfsmapid によって派生されるドメインを特定します。この派生値はデフォルトドメインとして対話プロンプトに表示されますが、ユーザーは、そのデフォルト値を受け入れるか、異なる NFS version 4 ドメインを割り当てるかを選択できます。
この機能により、次のものが廃止になります。
初期 Solaris 10 のメディアディストリビューションに付属していたサンプルの JumpStart スクリプト set_nfs4_domain が必要でなくなり、非推奨となった。
sysidnfs4 プログラムの以前の実装によって作成されていた /etc/.NFS4inst_state.domain ファイルが、必要でなくなった。
DNS 特有のユビキタスでスケーラブルな性質のため、大規模な NFS version 4 配備のドメイン設定には DNS TXT レコードを引き続き使用することを強く推奨します。「nfsmapid と DNS TXT レコード」を参照してください。
Solaris のインストールプロセスに関する具体的な情報については、次を参照してください。