/etc/ppp/pppoe ファイルは、アクセスサーバーが提供するサービスと、PPP が PPPoE トンネル上でどのように実行するかを定義するオプションを説明します。インタフェースごとに個別にサービスを定義することも、広域的にアクセスサーバー上のすべてのインタフェースに対してサービスを定義することもできます。アクセスサーバーは、将来の PPPoE クライアントからのブロードキャストに応答して、/etc/ppp/pppoe ファイル内の情報を送信します。
次に、/etc/ppp/pppoe の基本的な構文を示します。
global-options service service-name service-specific-options device interface-name |
パラメータの意味は次のとおりです。
/etc/ppp/pppoe ファイルのデフォルトのオプションを設定します。このオプションには、pppoed または pppd で使用可能なオプションはすべて使用できます。オプションの完全なリストについては、pppoed(1M) および pppd(1M) のマニュアルページを参照してください。
たとえば、この global-options には、PPPoE トンネルで使用できる Ethernet インタフェースを一覧表示する必要があります。/etc/ppp/pppoe でデバイスを定義しないと、インタフェースでサービスを提供できません。
devices をグローバルオプションとして定義するには、次の形式を使用します。
device interface <,interface> |
interface は、サービスが将来の PPPoE クライアントを待つインタフェースを指定します。複数のインタフェースがサービスに関連付けられている場合は、名前をコンマで区切って指定します。
service-name というサービスの定義を開始します。service-name には、提供されるサービスに適した任意の文字列を指定できます。
このサービスに固有の PPPoE および PPP のオプションを表示します。
上記で一覧表示したサービスを利用できるインタフェースを指定します。
/etc/ppp/pppoe のその他のオプションについては、pppoed(1M) および pppd(1M) のマニュアルページを参照してください。
次に、典型的な /etc/ppp/pppoe ファイルの例を示します。
device hme1,hme2,hme3 service internet pppd "name internet-server" service intranet pppd "192.168.1.1:" service debug device hme1 pppd "debug name internet-server" |
このファイルでは、次の値が適用されています。
PPPoE トンネルに使用されるアクセスサーバー上の 3 つのインタフェース。
想定クライアントに対して internet というサービスを通知します。また、サービスを提供するプロバイダは internet の定義方法についても決定します。たとえば、プロバイダは、internet とは、インターネットへのアクセスだけでなく、さまざまな IP サービスを意味するものと解釈する場合があります。
呼び出し元が pppd を呼び出したときに使用されるコマンド行オプションを設定します。"name internet-server" オプションは、ローカルマシン (アクセスサーバー) の名前を internet-server と付けます。
intranet という別のサービスを想定クライアントに通知します。
呼び出し元が pppd を呼び出したときに使用されるコマンド行オプションを設定します。呼び出し元が pppd を呼び出すと、ローカルマシン (アクセスサーバー) の IP アドレスとして 192.168.1.1 が設定されます。
PPPoE 用に定義されているインタフェースに 3 番目のサービス、デバッグを通知します。
PPPoE トンネルに対するデバッグを hme1 に限定します。
呼び出し元が pppd を起動したときに使用されるコマンド行オプション、この場合は PPP デバッグをローカルマシン internet-server に設定します。