次の例を参照してください。
NFS version 2 または version 3 では、次のコマンドはどちらもサーバー bee から NFS ファイルシステムを読み取り専用としてマウントします。
# mount -F nfs -r bee:/export/share/man /usr/man |
# mount -F nfs -o ro bee:/export/share/man /usr/man |
NFS version 4 では、次のコマンド行で同じマウントを行えます。
# mount -F nfs -o vers=4 -r bee:/export/share/man /usr/man |
NFS version 2 または version 3 では、次のコマンドは -O オプションを使用しているため、すでに /usr/man がマウントされている場合でも、強制的にマニュアルページをサーバー bee からローカルシステムにマウントします。次を参照してください。
# mount -F nfs -O bee:/export/share/man /usr/man |
NFS version 4 では、次のコマンド行で同じマウントを行えます。
# mount -F nfs -o vers=4 -O bee:/export/share/man /usr/man |
NFS version 2 または version 3 では、次のコマンドはクライアント側フェイルオーバー機能を使用します。
# mount -F nfs -r bee,wasp:/export/share/man /usr/man |
NFS version 4 では、次のコマンド行はクライアント側フェイルオーバー機能を使用します。
# mount -F nfs -o vers=4 -r bee,wasp:/export/share/man /usr/man |
コマンド行から使用する場合、リスト内のサーバーがサポートしている NFS プロトコルは同じバージョンでなければなりません。コマンド行から mount を実行するときは、version 2 と version 3 のサーバーを同時に使用しないでください。autofs を実行するときは、両サーバーを同時に使用することができます。autofs により、version 2 または version 3 のサーバーの最適な組み合わせが自動的に選択されます。
次に、NFS version 2 または version 3 において、mount コマンドに NFS URL を使用する例を示します。
# mount -F nfs nfs://bee//export/share/man /usr/man |
次に、NFS version 4 において、mount コマンドに NFS URL を使用する例を示します。
# mount -F nfs -o vers=4 nfs://bee//export/share/man /usr/man |
forcedirectio マウントオプションを使用すると、ファイルに対してクライアントが、並行書き込みと並行読み取り/書き込みを行えるようになります。次に例を示します。
# mount -F nfs -o forcedirectio bee:/home/somebody /mnt |
この例では、サーバー bee からの NFS ファイルシステムがマウントされ、ディレクトリ /mnt にあるファイルごとに並行読み取り/書き込みが有効になります。並行読み取り/書き込みのサポートを有効にすると、次のことが発生します。
クライアントは、ファイルへの並列した書き込みをアプリケーションに許可します。
クライアントでのキャッシュが無効になります。その結果、読み取りと書き込みのデータはサーバー上に保持されます。つまり、クライアントは読み取られたデータまたは書き込まれたデータをキャッシュに書き込まないため、アプリケーションがキャッシュに書き込んでいないデータはサーバーから読み取られます。クライアントのオペレーティングシステムは、このデータのコピーを持ちません。通常、NFS クライアントは、アプリケーションが使用するカーネルにデータをキャッシュします。
クライアント側でキャッシュが無効になっているため、先読みと後書きプロセスが無効になります。先読みプロセスは、アプリケーションが次に要求する可能性のあるデータをカーネルが予測したときに、発生します。次に、カーネルはあらかじめデータを収集するプロセスを開始します。カーネルの目標は、アプリケーションがデータを要求する前にそのデータを準備しておくことです。
クライアントは、書き込みのスループットを向上する後書きプロセスを使用します。アプリケーションがデータをファイルに書き込むたびに、入出力操作をただちに開始する代わりに、データはメモリー内にキャッシュされます。のちに、データはディスクに書き込まれます。
後書きプロセスにより、データがより大きな領域に書き込まれたり、アプリケーションから非同期で書き込まれたりする可能性があります。通常、より大きな領域を使用するとスループットが向上します。非同期の書き込みにより、アプリケーション処理と入出力処理間でオーバーラップができるようになります。また、ストレージサブシステムが、より優れた入出力処理を行うことで入出力を最適化できるようになります。同期の書き込みは、最適化されていないストレージサブシステムでの入出力を強制的に処理します。
アプリケーションでキャッシュされていないデータのセマンティクスを処理する準備ができていない場合、著しくパフォーマンスが低下する可能性があります。マルチスレッド化されたアプリケーションは、この問題を回避します。
並行書き込みのサポートが有効にされていない場合、すべての書き込み要求は直列化されます。要求が直列化されると、次のことが発生します。ある書き込み要求が進行中のとき、2 番目の書き込み要求は、最初の処理が完了するのを待ってから処理を続行する必要があります。
mount コマンドに引数を指定しないと、クライアントにマウントされたファイルシステムが表示されます。次を参照してください。
% mount / on /dev/dsk/c0t3d0s0 read/write/setuid on Wed Apr 7 13:20:47 2004 /usr on /dev/dsk/c0t3d0s6 read/write/setuid on Wed Apr 7 13:20:47 20041995 /proc on /proc read/write/setuid on Wed Apr 7 13:20:47 2004 /dev/fd on fd read/write/setuid on Wed Apr 7 13:20:47 2004 /tmp on swap read/write on Wed Apr 7 13:20:51 2004 /opt on /dev/dsk/c0t3d0s5 setuid/read/write on Wed Apr 7 13:20:51 20041995 /home/kathys on bee:/export/home/bee7/kathys intr/noquota/nosuid/remote on Wed Apr 24 13:22:13 2004 |