Solaris のシステム管理 (ネットワークサービス)

lockd デーモン

このデーモンは NFS ファイルのレコードロックをサポートします。lockd デーモンは、ネットワークロックマネージャー (NLM) プロトコルについて、クライアントとサーバー間の RPC 接続を管理します。通常は、パラメータを指定しないで起動します。使用できるオプションは 3 つあります。lockd(1M) のマニュアルページを参照してください。これらのオプションは、コマンド行からも、/etc/default/nfs 内の適切な文字列を編集することによっても使用することができます。次は、/etc/default/nfs ファイルに設定可能なキーワードの説明です。


注 –

Solaris 10 以降のリリースでは、LOCKD_GRACE_PERIOD キーワードと-g オプションの使用は推奨されていません。推奨されていないキーワードは、新しいキーワード GRACE_PERIOD に置き換えられています。両キーワードが設定されている場合、GRACE_PERIOD の値は、LOCKD_GRACE_PERIOD の値に優先します。次の GRACE_PERIOD の説明を参照してください。


LOCKD_GRACE_PERIOD 同様、/etc/default/nfsGRACE_PERIOD= graceperiod を追加すると、クライアントがサーバーのリブート後に NFS version 3 のロック (NLM が提供) と version 4 のロックを再要求する秒数を設定できます。つまり、GRACE_PERIOD の値は、NFS version 3 と NFS version 4 に対するロックリカバリの猶予期間を制御します。

/etc/default/nfsLOCKD_RETRANSMIT_TIMEOUT=timeout パラメータを追加すると、ロック要求をリモートサーバーに再転送するまでの秒数を選択できます。このオプションは NFS クライアントのサービスに関係します。デフォルト値は 15 秒です。この値を小さくすると、トラフィックの多いネットワーク上の NFS クライアントに対する応答時間を改善できます。ただし、ロック要求が増えることによってサーバーの負荷が増す可能性があります。デーモンに -t timeout オプションを指定して開始すると、コマンド行から同じパラメータを使用できます。

/etc/default/nfsLOCKD_SERVERS=nthreads パラメータを追加すると、サーバーが同時に処理できる各接続ごとのスレッドの最大数を指定できます。この値は、NFS サーバーに対して予想される負荷に基づいて決定してください。デフォルト値は 20 です。TCP を使用する各 NFS クライアントは、NFS サーバーとの間で 1 つの接続を使用するため、各クライアントは、サーバー上で、最大 20 のスレッドを同時に使用することができます。

UDP を使用するすべての NFS クライアントは、NFS サーバーと 1 つの接続を共有します。その場合、UDP 接続が使用できるスレッドの数を増やさなければならないことがあるかもしれません。各 UDP クライアントには、少なくとも 2 つのスレッドを許可します。ただし、この数は、クライアントの負荷により違います。そのため、クライアントごとに 2 つのスレッドを許可しても、十分ではない場合があります。多くのスレッドを使用する場合の不利な点は、これらのスレッドを使用すると、NFS サーバー上で使用するメモリーの容量が増えるという点です。ただし、スレッドを使用しない場合は、nthreads の値を増やしても影響がありません。デーモンに nthreads オプションを指定して開始すると、コマンド行から同じパラメータを使用できます。