Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Solaris Secure Shell での認証と鍵の交換

Solaris Secure Shell の v1 のプロトコルと v2 のプロトコルは両方とも、クライアントのユーザーとホストの認証およびサーバーのホスト認証をサポートしています。両プロトコルは、Solaris Secure Shell セッションの保護のためにセッション暗号化鍵の交換を必要とします。各プロトコルには、認証と鍵の交換の方式がいくつかあります。その中には、任意のものもあります。Solaris Secure Shell は、多数のクライアント認証メカニズムをサポートしています (表 19–1 参照)。サーバーは、既知のホスト公開鍵を使用して認証されます。

v1 のプロトコルでは、Solaris Secure Shell は、パスワードによるユーザー認証をサポートしています。v1 のプロトコルは、ユーザー公開鍵と信頼されるホスト公開鍵による認証もサポートしています。サーバー認証は、ホスト公開鍵によって行われます。v1 のプロトコルでは、公開鍵はすべて RSA 鍵です。セッション鍵の交換には、定期的に再生成される短期サーバー鍵の使用が必要です。

v 2 のプロトコルでは、Solaris Secure Shell は、ユーザー認証と汎用対話型認証をサポートしています。汎用対話型認証は、通常、パスワードを必要とします。v 2 のプロトコルは、ユーザー公開鍵および信頼されるホスト公開鍵による認証もサポートしています。鍵は、RSA の場合と DSA の場合があります。セッション鍵の交換は、サーバー認証手順で署名される Diffie-Hellman 短期鍵の交換で構成されます。さらに、Solaris Secure Shell は認証に GSS 資格を使用することもできます。

Solaris Secure Shell での GSS 資格の取得

Solaris Secure Shell で認証のために GSS-API を使用するには、サーバーが GSS-API のアクセプタの資格を持ち、クライアントが GSS-API のイニシエータの資格を持つ必要があります。mech_dh および mech_krb5 がサポートされています。

mech_dh では、サーバーは、rootkeylogin コマンドを実行すると、GSS-API アクセプタの資格を持ちます。

mech_krb5 では、サーバーは、サーバーに対応するホスト主体が /etc/krb5/krb5.keytab で有効なエントリを持つと、GSS-API アクセプタの資格を持ちます。

クライアントは、次のどちらかによって、mech_dh に対するイニシエータの資格を持ちます。

クライアントは、次のどちらかによって、mech_krb5 に対するイニシエータの資格を持ちます。

Secure RPC での mech_dh の使用方法については、第 16 章認証サービスの使用 (手順)を参照してください。mech_krb5 の使用方法については、第 21 章Kerberos サービスについてを参照してください。メカニズムの詳細については、mech(4) および mech_spnego(5) のマニュアルページを参照してください。