主体がチケットを取得すると、チケット認可チケット (TGT) であっても、チケットの有効期限は次の中で最も小さい値に設定されます。
kinit を使用してチケットを取得する場合、kinit の -l オプションに指定した有効期限値。デフォルトで、kinit は最長有効期限値を使用します。
チケットを提供するサービス主体に対し Kerberos データベースに指定されている最長有効期限値。kinit の場合、サービス主体は krbtgt/realm。
チケットを要求するユーザー主体に対し Kerberos データベースに指定されている最長有効期限値。
図 27–1 は、TGT の有効期限の決定方法と 4 つの有効期限値の指定元を示しています。この図は TGT の有効期限がどのようにして決まるかを示しますが、基本的には、どの主体がチケットを取得する場合でも同じです。違いは、kinit で有効期限値を指定しないことと、krbtgt/realm主体の代わりに、チケットを提供するサービス主体が最長有効期限値を提供することだけです。

更新可能チケットの有効期限も次の 4 つの最小値で決まります。ただし、この場合は更新可能有効期限が使用されます。