Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

Procedure監査イベントの所属先クラスの変更方法

既存の監査クラスのサイズを減らしたり、独自のクラスにイベントを入れたりするために、監査イベントのクラスメンバーシップを変更できます。1 つのシステム上で監査イベントから監査クラスへのマッピングを再構成する場合は、監査されているすべてのシステムに変更をコピーする必要があります。

  1. Primary Administrator 役割を引き受けるか、スーパーユーザーになります。

    Primary Administrator 役割には、Primary Administrator プロファイルが含まれます。役割を作成してユーザーに役割を割り当てるには、『Solaris のシステム管理 (基本編)』の第 2 章「Solaris 管理コンソールの操作 (手順)」を参照してください。

  2. (省略可能) audit_event ファイルのバックアップコピーを保存します。


    # cp /etc/security/audit_event /etc/security/audit_event.orig
    
  3. 特定のイベントがどのクラスに属するかを変更するには、イベントの class-list を変更します。

    各エントリの書式は次のとおりです。


    number:name:description:class-list
    
    number

    監査イベント ID です。

    name

    監査イベントの名前です。

    description

    通常、監査レコードの作成を発生させるシステムコールまたは実行可能プログラム。

    class-list

    コンマ区切りの監査クラスの一覧です。


例 30–11 既存の監査イベントを新しいクラスにマッピングする

この例では、既存の監査イベントを 例 30–10 で作成した新しいクラスにマッピングします。audit_control ファイルに、バイナリ監査レコードは、pf クラス内のイベントの成功または失敗を書き込みます。syslog 監査ログは、pf クラスのイベントの失敗だけを書き込みます。


# grep pf | /etc/security/audit_class
0x10000000:pf:profile command
# vi /etc/security/audit_event
6180:AUE_prof_cmd:profile command:ua,as,pf
# vi audit_control
...
flags:lo,pf
plugin:name=audit_binfile.so; p_dir=/var/audit; p_minfree=10
plugin:name=audit_syslog.so; p_flags=-lo,-pf


例 30–12 setuid プログラムの使用を監査する

この例では、setuidsetgid プログラムの呼び出しを監視するためにイベントを保持するクラスを作成します。バイナリ監査レコードは、lo クラスおよび na クラスのイベントの成功と失敗、st クラスのイベントの成功を書き込みます。syslog 監査ログは、st クラスのイベントの成功だけを書き込みます。


# vi /etc/security/audit_class
0x00000800:st:setuid class
# vi /etc/security/audit_event
26:AUE_SETGROUPS:setgroups(2):st
27:AUE_SETPGRP:setpgrp(2):st
40:AUE_SETREUID:setreuid(2):st
41:AUE_SETREGID:setregid(2):st
214:AUE_SETEGID:setegid(2):st
215:AUE_SETEUID:seteuid(2):st

# vi audit_control
## audit_control file
flags:lo,+st
naflags:lo,na
plugin:name=audit_binfile.so; p_dir=/var/audit; p_minfree=10
plugin:name=audit_syslog.so; p_flags=-lo,+st