Solaris のシステム管理 (セキュリティサービス)

並列伝播の設定

ほとんどの場合、マスター KDC は、Kerberos データベースをスレーブ KDC に伝播するときにだけ使用されます。使用するサイトに複数のスレーブ KDC が存在する場合は、伝播処理の負荷を分散させることもできます。この概念は、「並列伝播」と呼ばれます。


注 –

増分伝播を使用する場合は、この手順を使用しないでください。


並列伝播を利用すると、複数のスレーブ KDC 間でマスター KDC の伝播処理を分散できます。処理を分散すると、伝播をより早く実行でき、マスター KDC の作業を軽減することができます。

たとえば、使用するサイトに 1 つのマスター KDC と 6 つのスレーブ KDC があるとします (図 23–2 を参照)。slave-1 から slave-3 で 1 つの論理グループを構成し、slave-4 から slave-6 で別の論理グループを構成しています。並列伝播を設定するには、マスター KDC がデータベースを slave-1slave-4 に伝播し、これらのスレーブ KDC がグループ内のスレーブ KDC にデータベースを伝播するようにします。

図 23–2 並列伝播の構成例

図は、2 つの伝播スレーブを持ったマスター KDC を表示しています。各伝播スレーブは、それぞれのスレーブにマスター KDC データベースを伝播します。