NIS+ は、「承認と認証」という相補的なプロセスによって、名前空間の構造と格納する情報を保護します。
「承認 (authorization)」。名前空間の各構成要素は、「だれからのどのような操作を許可するか」を規定しています。これが承認です。
「認証 (authentication)」。名前空間に対するアクセス要求はすべて、NIS+ によって「認証」されます。アクセス要求は、 NIS+ 主体から発行されます。NIS+ 主体には、プロセス、マシン、ルート、またはユーザーがなることができます。正当な NIS+ 主体は、NIS+「資格」を持ちます。名前空間へのアクセスが行われると、必ずその要求者 (主体) の認証が行われます。
NIS+ が要求どおりの動作をするのは、「主体が認証されていて (正当な資格を持っていて)、要求された操作が、該当する構成要素において承認されている」という場合のみです。資格がない (または完全でない)、要求された操作が承認されていないという場合、NIS+ はアクセス要求を拒否します。NIS+ セキュリティシステム全体の概要については、第 11 章「NIS+ のセキュリティの概要」を参照してください。