Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

nis_cachemgr デーモン

nis_cachemgr は、すべての NIS+ クライアント上で動作する必要があります。キャッシュマネージャは、名前空間でもっともよく使われるディレクトリをサポートする NIS+ サーバーの位置情報キャッシュを管理します。位置情報はトランスポートアドレス、認証情報、生存期間値などです。

キャッシュマネージャが起動すると、クライアントのコールドスタートファイルから初期情報を取得し、それを /var/nis/NIS_SHARED_DIRCACHE ファイルにダウンロードします。

キャッシュマネージャは、クライアントマシンとして要求を行います。クライアントマシンには必ず適切な資格を持たせてください。そうしないと、性能が向上するどころか、キャッシュマネージャが性能を低下させます。

キャッシュマネージャの起動と停止

サービス管理機能 (SMF) の使用時は、キャッシュマネージャは NIS+ サービスに依存しているため、NIS+ サービスとともに起動または停止します。 NIS+ サービスを起動、停止、または再起動するには、 svcadm コマンドを使用します。


client% svcadm enable /network/rpc/nisplus:default
client% svcadm disable /network/rpc/nisplus:default
client% svcadm restart /network/rpc/nisplus:default

NIS+ サービスをいったん停止してから起動すると、キャッシュマネージャが再起動されますが、/var/nis/NIS_SHARED_DIRCACHE ファイル内の情報は保持されます。コールドスタートファイル内の情報は、キャッシュファイル内の既存の情報にそのまま追加されます。キャッシュファイルをクリアし、クライアントのコールドスタートファイルの内容からこれを再び初期設定するには、-i オプションを使用します。