Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

NIS+ セキュリティレベル

NIS+ サーバーは、2 つのセキュリティレベルのどちらかで動作します。セキュリティレベルにより、要求を送信して認証を取得しなければならない資格主体の種類が決まります。NIS+ は、最高セキュリティレベル (セキュリティレベル 2) で動作するように設計されています。レベル 0 は、テスト、設定、およびデバッグのときにだけ使用します。セキュリティレベルについては、表 11–1 を参照してください。

表 11–1 NIS+ セキュリティレベル

セキュリティレベル 

目的 

セキュリティレベル 0 は、NIS+ 名前空間の初期テストと初期設定を行うレベル。セキュリティレベル 0 で動作している NIS+ サーバーは、ドメイン内の全 NIS+ オブジェクトに対する完全なアクセス権をどの NIS+ 主体にも与える。レベル 0 はシステム管理者だけが設定管理のためにだけ使用する。レギュラーユーザーはネットワークにおける通常のオペレーションに使用できない 

セキュリティレベル 1 は AUTH_SYS セキュリティを利用する。このレベルは NIS+ によってサポートされていないため、利用すべきではない 

セキュリティレベル 2 はデフォルトで、NIS+ が現在提供している最高レベルのセキュリティ。DES 資格を使用する要求だけを認証する。資格を持たない要求には未認証クラスが与えられ、未認証クラスに割り当てられたアクセス権が与えられる。無効な DES 資格を使用する要求は再試行される。有効な DES 資格の獲得に繰り返し失敗すると、無効資格を持った要求として認証エラーになる(資格が無効になる場合、要求をした主体に対してそのマシンで keylogin が実行されていない、クロックの同期がとれていない、鍵が不一致であるなどの原因が考えられる)。