Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

NIS+ 管理者

NIS+管理者は、NIS+オブジェクトに対して「管理者権限」を持つユーザーです。管理者権限は、オブジェクトに対する作成および削除権限で構成されます。また、オブジェクトによっては変更権限が含まれる場合もあります (NIS+ アクセス権については、「NIS+ アクセス権について」を参照してください)。

NIS+ オブジェクトを作成するものはだれでもそのオブジェクトに対する初期アクセス権を持つと設定します。もし作成者が管理権限をオブジェクトの所有者に限った場合 (初期状態では作成者) は、所有者だけがそのオブジェクトに対する管理権限を持ちます。一方、作成者が管理権限をオブジェクトのグループに与えた場合は、グループの全員がそのオブジェクトに対して管理権限を持つことになります。

あるオブジェクトに対して管理権限を持つものはだれでもそのオブジェクトの NIS+ 管理者とみなされます。

すなわち、NIS+ ソフトウェアは NIS+ 管理者を 1 人にしようとするものではないということです。

理論的には、管理権限をその他クラスに与えることも、未認証クラスに与えることもできます。これは、ソフトウェア上で実行可能です。しかし、管理権限をグループクラス以上に広げて与えてしまうと、NIS+ のセキュリティを実質的に無効にしてしまいます。もし管理権限をその他クラスや未認証クラスに与えた場合、NIS+ のセキュリティは保証されません。