Solaris のシステム管理 (ネーミングとディレクトリサービス : NIS+ 編)

クライアント構成時のセキュリティについて

クライアントの設定には、セキュリティ上の主な必要要件が 2 つあります。つまり、システム管理者とクライアントの両方が、適切な資格とアクセス権を持つことです。そうでない場合、クライアントがセキュリティレベル 2 で実行しているドメインの資格を入手する唯一の方法は、クライアントのホームドメイン内での有効な DES 資格と cred テーブルに対する変更権とを持つシステム管理者が資格を作成することです。システム管理者は DES 資格を、クライアントのホームドメイン内、または自分のホームドメイン内に所持できます。

システム管理者がクライアントの資格を作成すると、そのクライアントは構成プロセスを終了できます。しかしクライアントは、ホームドメインのディレクトリオブジェクトに対する読み取り権を必要とします。第 5 章「ルートドメインの設定」または第 8 章「ルート以外のドメインの構成」の手順に従ってクライアントのホームドメインを構成した場合、ディレクトリオブジェクトの作成に使用した NIS+ コマンド (nisinitnismkdir) によって、読み取り権がその他のクラスに提供されています。

ディレクトリオブジェクトのアクセス権をチェックするには、niscat-o コマンドを使用します。このコマンドは、アクセス権などのディレクトリ属性を表示します。次にその例を示します。


rootmaster# niscat -o doc.com.
ObjectName : Doc
Owner : rootmaster.doc.com.
Group : admin.doc.com.
Domain : Com.
Access Rights : r---rmcdr---r---

ディレクトリオブジェクトのアクセス権は、オブジェクトに対する変更権を持っている場合は、nischmod コマンドを使用して変更できます。詳細については、第 15 章「NIS+ のアクセス権の管理」を参照してください。