Oracle Solaris のシステム管理 (Oracle Solaris コンテナ : 資源管理と Oracle Solaris ゾーン)

lx ブランドゾーンにアプリケーションをインストールする方法

アプリケーションをインストールするには、Linux システムでの手順と同様に、CD をマウントし、インストールプログラムを実行します。ここでは、lx ブランドゾーンへのアプリケーションの一般的なインストールについて説明します。


ヒント –

CD または DVD を使用してアプリケーションを lx ブランドゾーンにインストールする予定の場合は、ブランドゾーンを最初に構成するときに、大域ゾーンの CD または DVD メディアに読み取り専用のアクセスを行う権限を追加します。「CD を使用して MATLAB 7.2 をインストールする方法」の手順 7 を参照してください。


MATLAB について

MATLAB は、計算負荷の高いタスクをすばやく実行できる対話型環境を提供する高級言語です。この製品は The MathWorks によって開発されました。詳細は、http://www.mathworks.com を参照してください。

ProcedureCD を使用して MATLAB 7.2 をインストールする方法

  1. MATLAB 7.2 の CD を入手します。

    MATLAB/Simulink パッケージには 3 枚の CD があります。単純な MATLAB のインストールには、ディスク 1 と 3 だけが必要です。

  2. lx ブランドゾーンを作成し、インストールします。手順については、lx ブランドゾーンを構成、検証、および確定する方法」および lx ブランドゾーンのインストールと起動」を参照してください。

  3. 大域ゾーンでボリューム管理ファイルシステムが稼働していない場合は、起動します。


    global# svcadm volfs enable
    
  4. メディアを挿入します。

  5. ドライブにメディアが入っているかどうかを確認します。


    global# volcheck
    
  6. CD が自動マウントされているかどうかをテストします。


    global# ls /cdrom
    

    次のような情報が表示されます。


    cdrom   cdrom1   mathworks_2006a1
  7. ro,nodevices オプション (読み取り専用、デバイスなし) を指定して、非大域ゾーンでファイルシステムをループバックマウントします。


    global# zonecfg -z lx-zone
    zonecfg:lx-zone> add fs
    zonecfg:lx-zone:fs> set dir=/cdrom
    zonecfg:lx-zone:fs> set special=/cdrom
    zonecfg:lx-zone:fs> set type=lofs
    zonecfg:lx-zone:fs> add options [ro,nodevices]
    zonecfg:lx-zone:fs> end
    zonecfg:lx-zone> commit
    zonecfg:lx-zone> exit
    
  8. 非大域ゾーンを再起動します。


    global# zoneadm -z lx-zone reboot
    
  9. zoneadm list コマンドに -v オプションを指定して、状態を確認します。


    global# zoneadm list -v
    

    次のような情報が表示されます。


    ID  NAME     STATUS       PATH                           BRAND      IP
     0  global   running      /                              native     shared
     1  lx-zone  running      /export/home/lx-zone           lx         shared
  10. lx ゾーンにログインします。


    global# zlogin lx-zone
    
  11. CD-ROM がマウントされているかを確認します。


    lx-zone# ls /cdrom
    

    次のような内容が表示されます。


    cdrom   cdrom1   mathworks_2006a1
  12. MATLAB のマニュアルに従って、ライセンスファイルを作成します。

  13. 製品のインストールガイドに従って、製品をインストールします。


    lx-zone# /mnt/install
    
  14. ゾーンから抜けます。


    lx-zone# exit
    

    ヒント –

    /cdrom ファイルシステムを非大域ゾーンに残すこともできます。マウントするときには、常に CD-ROM ドライブの現在の内容が反映されます。つまり、ドライブが空の場合は、ディレクトリは空になります。


  15. (省略可能) 非大域ゾーンから /cdrom ファイルシステムを削除する場合は、次の手順を使用します。


    global# zonecfg -z lx-zone
    zonecfg:lx-zone> remove fs dir=/cdrom
    zonecfg:lx-zone> commit
    zonecfg:lx-zone> exit
    

ProcedureISO イメージを使用して MATLAB 7.2 をインストールする方法

始める前に

この方法では、かなり多くのディスク容量が消費されることに注意してください。

  1. MATLAB 7.2 の CD を入手します。

    MATLAB/Simulink パッケージには 3 枚の CD があります。単純な MATLAB のインストールには、ディスク 1 と 3 だけが必要です。

  2. lx ブランドゾーンを作成し、インストールします。手順については、lx ブランドゾーンを構成、検証、および確定する方法」および lx ブランドゾーンのインストールと起動」を参照してください。

  3. 各 CD のデータを .iso ファイルにコピーします。


    global# /usr/bin/dd if=/dev/rdsk/c1d0s2 of=disk1.iso
    

    これにより、最初の CD のデータがファイル disk1.iso にコピーされます。disk3.iso などの別のファイル名を使用して、3 枚目の CD についても繰り返します。

  4. 大域ゾーンから、最初の .iso ファイルを lx ゾーンに lofi でマウントします。


    global# lofiadm -a /zpool/local/disk1.iso
    global# mount -F hsfs /dev/lofi/1 /zones/lx-zone/root/mnt
    
  5. lx ゾーンにログインします。


    global# zlogin lx-zone
    
  6. X 転送を使用して、表示先をデスクトップに変更します。


    lx-zone# ssh -X root@lx-zone
    
  7. MATLAB のマニュアルに従って、ライセンスファイルを作成します。

  8. 製品のインストールガイドに従って、製品をインストールします。


    lx-zone# /mnt/install
    
  9. CD 3 の挿入を求めるメッセージが表示されたら、大域ゾーンの端末ウィンドウに戻り、最初のファイルの代わりに disk3.iso ファイルをマウントします。


    global# umount /zones/lx-zone/root/mnt
    	global# lofiadm -d /dev/lofi/1
    	global# lofiadm -a /zpool/local/disk3.iso
    	global# mount -F hsfs /dev/lofi/1 /zones/lx-zone/root/mnt
    

    インストールが終了します。