ゾーン規模の資源制御を設定する場合に望ましい、より簡単な方法は、rctl 資源の代わりにプロパティー名を使用する方法です。これらの制限は、大域ゾーンと非大域ゾーンの両方に対して指定されます。
大域管理者は、rctl 資源を使用して、ゾーン規模の特権付き資源制御をゾーンに対して設定することもできます。
ゾーン規模の資源制御は、ゾーン内のすべてのプロセスエンティティーによる総資源消費を制限します。これらの制限は、大域ゾーンと非大域ゾーンのどちらに対しても、zonecfg コマンドを使用して指定します。手順については、「lx ブランドゾーンの構成方法」を参照してください。
現在使用できる資源制御は次のとおりです。
表 32–1 ゾーン規模の資源制御
制御名 |
グローバルプロパティー名 |
説明 |
デフォルトの単位 |
使用される値 |
---|---|---|---|---|
zone.cpu-cap |
Solaris 10 5/08 リリースでは、このゾーンに対して CPU 資源量の絶対的な制限を設定します。project.cpu-cap 設定と同様、100 の値は 1 つの CPU の 100% を意味します。125 の値は 125% になります。CPU キャップの使用時は、100% がシステム上の 1 つの CPU の上限となります。 |
数量 (CPU の数) | ||
zone.cpu-shares |
cpu-shares |
このゾーンに対する公平配分スケジューラ (FSS) の CPU 配分 |
数量 (配分) | |
zone.max-locked-memory |
|
ゾーンで使用できるロックされた物理メモリーの合計量。 |
サイズ (バイト) |
capped-memory の locked プロパティー |
zone.max-lwps |
max-lwps |
このゾーンで同時に使用できる LWP の最大数 |
数量 (LWP 数) | |
zone.max-msg-ids |
max-msg-ids |
このゾーンに許容されるメッセージキュー ID の最大数 |
数量 (メッセージキュー ID の数) | |
zone.max-sem-ids |
max-sem-ids |
このゾーンに許容されるセマフォー ID の最大数 |
数量 (セマフォー ID の数) | |
zone.max-shm-ids |
max-shm-ids |
このゾーンに許容される共有メモリー ID の最大数 |
数量 (共有メモリー ID の数) | |
zone.max-shm-memory |
max-shm-memory |
このゾーンに許容される System V 共有メモリーの合計量 |
サイズ (バイト) | |
zone.max-swap |
|
このゾーンのユーザープロセスのアドレス空間マッピングと tmpfs マウントで消費できるスワップの合計量。 |
サイズ (バイト) |
capped-memory の swap プロパティー |