次に示す USB 2.0 の機能が含まれます。
パフォーマンスの向上 – USB 40 コントローラに接続されたデバイスの場合は、データのスループットが USB 2.0 デバイスと比較して最大で 1.1 倍速に向上します。
DVD やハードディスクなどの高速の USB デバイスにアクセスするときに、高速の USB プロトコルを利用できます。
下位互換性 – 1.0 および 1.1 デバイスおよびドライバとの下位互換性があるので、同じケーブル、コネクタ、およびソフトウェアインタフェースを使用できます。
USB デバイスおよび USB 用語については、「USB デバイスの概要」を参照してください。
USB 2.0 デバイスは、USB 2.0 仕様に準拠した高速デバイスです。USB 2.0 仕様は、http://www.usb.org/home で確認できます。
Solaris 10 リリースで USB デバイスの速度を識別するには、/var/adm/messages ファイルで次のようなメッセージを確認します。
Dec 13 17:05:57 mysystem usba: [ID 912658 kern.info] USB 2.0 device (usb50d,249) operating at hi speed (USB 2.x) on USB 2.0 external hub: storage@4, scsa2usb0 at bus address 4 |
この Solaris リリースでは、たとえば、次の USB デバイスがサポートされます。
大容量ストレージデバイス。たとえば CD-RW、ハードディスク、DVD、デジタルカメラ、フロッピーディスク、テープドライブ、メモリースティック、およびマルチフォーマットのカードリーダー
キーボードおよびマウス
オーディオデバイス。たとえばスピーカおよびマイク
今回の Solaris リリースで検証済みの USB デバイスの一覧は、次のサイトで確認できます。
http://www.sun.com/io_technologies/USB.html
それ以外のストレージデバイスでも、scsa2usb.conf ファイルを変更すれば使用できることがあります。詳細は、scsa2usb(7D) のマニュアルページを参照してください。
Solaris USB 2.0 デバイスのサポートとして、次の機能が用意されています。
USB バス速度が、12 Mbps から 480 Mbps に向上しています。このため、USB 2.0 仕様をサポートするデバイスを USB 2.0 ポートに接続すると、対応する USB 1.1 デバイスに比べて速度が大幅に向上します。
次のいずれかの USB 2.0 ポートを使用できます。
USB 2.0 PCI カード上のポート
USB 2.0 ポートに接続された USB 2.0 ハブ上のポート
SPARC または x86 コンピュータのマザーボード上のポート
以前の SPARC プラットフォームでは、USB 2.0 PCI カードが必要な場合があります。
Solaris リリースで検証済みの USB 2.0 PCI カードについては、次の Web サイトを参照してください。
同じシステム上に USB 1.1 デバイスと USB 2.0 デバイスが共存する場合でも、USB 1.1 デバイスは以前と同様に機能します。
USB 2.0 デバイスは USB 1.x ポートでも動作しますが、USB 2.0 ポートに接続するとパフォーマンスが大幅に向上します。
USB 2.0 ホストコントローラには、1 つのハイスピード EHCI (Enhanced Host Controller Interface) と、1 つ以上の OHCI (OpenHCI Host Controller Interface) または UHCI (Universal Host Controller Interface) が組み込まれたコントローラが用意されています。USB 2.0 ポートに接続されているデバイスは、USB 2.0 をサポートしているかどうかに応じて、EHCI または OHCI コントローラに動的に割り当てられます。
USB 2.0 PCI カード上のポートに 接続された USB 2.0 ストレージデバイスのデバイス名は、以前の Solaris リリースで同じハードウェア構成で使用していた場合には、このリリースにアップグレードした後で変更されることがあります。この変更は、アップグレードによりこれらのデバイスが USB 2.0 デバイスとして認識され、制御が EHCI コントローラに引き継がれるために発生します。 /dev/[r]dsk/cwtxdysz の w (コントローラの番号) は、それらのデバイスに合わせて変更されます。
また、USB デバイスの速度は親ポートがサポートできる速度に制限されます。たとえば、USB 1.x ハブに USB 2.0 外部ハブが接続され、その USB 2.0 外部ハブに USB 2.0 デバイスが接続されている場合、そのデバイスは最大限の速度で動作した場合でもそれほど高速では動作しません。
USB 2.0 デバイスのサポートの詳細は、ehci(7D) および usba(7D) のマニュアルページを参照してください。
バス電源供給方式のハブは、接続先の USB バスの電源を利用して、接続されているデバイスに電源を供給します。これらのハブの負荷が大きくなりすぎないように、十分に注意してください。これらのハブから接続先のデバイスに供給できる電源は限られているためです。
Solaris 10 6/06 リリースから、USB デバイスへの電源割り当てが実装されています。この機能には、次の制限があります。
2 台のバス電源供給方式のハブをカスケード接続しないでください。
バス電源供給方式のハブの各ポートの最大消費電力は100mAです。
バス電源供給方式のハブに接続できるのは、自己電源のデバイスまたはバス電源供給方式の低電力デバイスだけです。バス電源供給方式の高電力デバイスは接続を拒否されます。接続は予測できない場合があるため、誤った電源をレポートするハブやデバイスもあります。