論理デバイス名は、次の作業を行う場合に、ディスクデバイスにアクセスするために使用されます。
システムに新しいディスクを追加します。
システム間でディスクを移動します。
ローカルディスク上にあるファイルシステムにアクセスまたはそれをマウントします。
ローカルファイルシステムのバックアップをとります。
管理コマンドの多くは、ディスクスライスまたはファイルシステムを参照する引数を使用します。
シンボリックリンクされるサブディレクトリ(/dev/dsk または /dev/rdsk のどちらか) に続けて、特定のコントローラ、ディスク、およびスライスを識別する文字列を指定することによって、ディスクデバイスを参照してください。
ディスクとファイルの管理コマンドには、raw (または「キャラクタ型」) デバイスインタフェースか、「ブロック」デバイスインタフェースを使用する必要があります。デバイスからどのような方法でデータを読み取るかによって使い分けます。
raw デバイスインタフェースは、一度に少量のデータだけを転送します。ブロックデバイスインタフェースには、大量のデータブロックが一度に読み取られるバッファーが含まれます。
コマンドによって、必要なインタフェースは異なります。
コマンドが raw デバイスインタフェースを必要とする場合は、/dev/rdsk サブディレクトリを指定してください。(rdsk の「r」は、「raw」を表します。)
コマンドがブロックデバイスインタフェースを必要とする場合は、/dev/dsk サブディレクトリを指定してください。
コマンドが /dev/dsk または /dev/rdsk のどちらを必要とするかがわからない場合は、そのコマンドのマニュアルページの説明を参照してください。
次の表に、一般的に使用されるディスクコマンドとファイルシステムコマンドの一部に必要なインタフェースを示します。
表 5–3 使用頻度の高いコマンドに必要なデバイスインタフェースのタイプ
コマンド |
インタフェースのタイプ |
使用例 |
---|---|---|
ブロック |
df /dev/dsk/c0t3d0s6 |
|
Raw |
fsck -p /dev/rdsk/c0t0d0s0 |
|
ブロック |
mount /dev/dsk/c1t0d0s7 /export/home/ziggy |
|
Raw |
newfs /dev/rdsk/c0t0d1s1 |
|
Raw |
prtvtoc /dev/rdsk/c0t0d0s2 |
ディスクのパーティションやスライスにアクセスする方法は、そのディスクデバイスが直接コントローラとバス指向コントローラのどちらに接続されているかによって異なる場合があります。一般的に、直接コントローラの論理デバイス名には「ターゲット」識別子が含まれません。
両方のタイプのコントローラについて、次の節で説明します。
コントローラ番号は、システム初期設定時に自動的に割り当てられます。この番号は、厳密に論理的なものであり、物理コントローラに直接対応するものではありません。
x86 システムにおいて IDE コントローラでアクセスされるディスクにスライスを指定するには、下の図に示す命名規則に従ってください。
Solaris fdisk パーティション全体を示すには、スライス 2 (S2) を指定してください。
システムにコントローラが 1 つしかない場合、w は、通常、0 になります。
バス指向コントローラ (SCSI など) でアクセスされるディスクにスライスを指定するには、下の図に示す命名規則に従ってください。
直接接続されるディスク (UltraSPARC システムの IDE ディスクなど) を備えている SPARC システムでは、バス指向コントローラを備えているシステムと同じ命名規則になります。
システムにコントローラが 1 つしかない場合、w は、通常、0 になります。
SCSI コントローラの場合、x はデバイスの背面にあるスイッチによって設定されたターゲットアドレス、y はターゲットに接続されたドライブの論理デバイス番号 (LUN) を示します。ディスクにコントローラが内蔵されている場合、y は、通常、0 になります。SPARC システム上の SCSI アドレスの詳細については、SunSolve Info Doc 48041 と、scsi_address(9S) のマニュアルページを参照してください。
ディスク全体を示すには、スライス 2 (S2) を指定してください。