通常、ダンプデバイスとは、システムクラッシュダンプ情報を格納するために予約されているディスク領域のことです。デフォルトでは、UFS ルート環境内のスワップスライスがシステムのダンプデバイスとして構成されます。可能であれば、スワップパーティションを使用する代わりに、代替パーティションを「専用ダンプデバイス」として設定してください。クラッシュダンプの信頼性を高めたり、システム障害が発生したあとのリブート時間を短縮したりできます。専用ダンプデバイスの構成は、dumpadm コマンドで行えます。詳細は、『Solaris のシステム管理 (上級編)』の第 17 章「システムクラッシュ情報の管理 (手順)」を参照してください。
ZFS ルート環境では、スワップとダンプは別々の ZFS ボリュームとして構成されます。このモデルの利点は次のとおりです。
スワップ領域とダンプ領域を含めるためにディスクをパーティションに分割する必要がない。
スワップおよびダンプデバイスが背後の ZFS 入出力パイプラインアーキテクチャーを利用できる。
スワップおよびダンプデバイス上で圧縮などの特性を設定できる。
スワップおよびダンプデバイスのサイズをリセットできる。次に例を示します。
# zfs set volsize=2G rpool/dump # zfs get volsize rpool/dump NAME PROPERTY VALUE SOURCE rpool/dump volsize 2G - |
大規模ダンプデバイスを割り当てる処理には時間がかかることに注意してください。
アクティブなシステムに 2 番目のスワップボリュームを追加して、全体のスワップサイズを増やすことを考慮できる。
ZFS スワップおよびダンプデバイスの使用方法の詳細については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の「スワップデバイスおよびダンプデバイスの ZFS サポート」を参照してください。
Solaris ボリュームマネージャーなどのボリュームマネージャーを使用して UFS 環境内のディスクを管理している場合は、専用ダンプデバイスを Solaris ボリュームマネージャーの管理下に置かないように設定してください。スワップ領域は、Solaris ボリュームマネージャーの管理下に保管することをお勧めします。ただし、使いやすさとパフォーマンスの理由から、Solaris ボリュームマネージャーの管理下で動作しないディスクを専用ダンプデバイスとして設定してください。