Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)

スワップリソースの監視

/usr/sbin/swap コマンドを使用してスワップ領域を管理します。2 つのオプション -l-s は、スワップリソースに関する情報を表示します。

swap -l コマンドを使用すると、システムのスワップ領域を確認できます。有効になっているスワップデバイスやファイルは、swapfile カラムの下に表示されます。次に例を示します。


# swap -l
swapfile             dev  swaplo blocks   free
/dev/dsk/c0t0d0s1   136,1      16 1638608 1600528

ZFS ルートファイルシステムを備えるシステムでは、swap - l コマンドにより、ZFS ボリュームパス名が出力されることを除いて、類似の出力が得られます。次に例を示します。


# swap -l
swapfile                  dev  swaplo blocks   free
/dev/zvol/dsk/rpool/swap 256,1      16 1058800 1058800

swap -s コマンドを使用すると、スワップリソースを監視できます。


# swap -s
total: 57416k bytes allocated + 10480k reserved = 67896k used, 
833128k available

used 値と available 値の合計は、システム上の合計スワップ空間に等しくなります。これには、物理メモリーの一部とスワップデバイス (またはファイル) が含まれます。

使用可能なスワップ空間と使用済みスワップ空間の容量 (swap -s の出力内) を使用して、時間経過に伴うスワップ空間の使用状況を監視できます。システムパフォーマンスが適正であれば、swap -s を使用するとどの程度のスワップ空間が使用可能であるかがわかります。システムパフォーマンスが低下したときは、使用可能なスワップ空間の容量を検査して減少していないかどうかを調べてください。これによって、システムに対するどのような変更が原因でスワップ空間の使用量が増大したかを識別できます。

このコマンドを使用するときには、カーネルとユーザープロセスが物理メモリーをロックして解除するたびに、スワップに使用できる物理メモリーの容量が動的に変化するので注意してください。


注 –

swap -l コマンドでは、スワップ空間が 512 バイトのブロック数として表示されます。swap -s コマンドでは、スワップ空間が 1024 バイトのブロック数として表示されます。swap -l で表示されたブロック数を合計して K バイトに変換すると、結果は「used + available」(swap -s の出力) より小さくなります。これは、swap -l では、スワップ空間の計算に物理メモリーが算入されないからです。


次の表に、swap -s コマンドの出力とその説明を示します。

表 20–1 swap -s コマンドの出力

キーワード 

説明 

bytes allocated

現在バックアップ用の記憶域 (ディスク上にとられたバックアップ用のスワップ空間) として使用可能なスワップ空間の合計容量を表す 1024 バイトのブロック数。 

reserved

現在は割り当てられていないが、あとから使用できるようにメモリーによって回収されるスワップ空間の合計容量を表す 1024 バイトのブロック数。 

used

割り当て済みまたは予約済みのスワップ空間の合計容量を表す 1024 バイトのブロック数。 

available

あとから予約や割り当てに使用可能なスワップ空間の合計容量を表す 1024 バイトのブロック数。