iscsitadm コマンドを使って、Solaris iSCSI ターゲットデバイスを設定および管理できます。Solaris iSCSI ターゲットデバイスは、ディスクまたはテープデバイスです。iSCSI ターゲットとして選択したデバイスでは、iSCSI デーモン用のバッキングストアとして、同サイズの ZFS または UFS ファイルシステムを提供する必要があります。
ZFS を使用した Solaris iSCSI ターゲットデバイスの設定方法については、『Oracle Solaris ZFS 管理ガイド』の「ZFS および Solaris iSCSI の向上」を参照してください。
ターゲットデバイスの設定後に、iscsiadm コマンドを使って iSCSI ターゲットを識別します。これにより、iSCSI ターゲットデバイスが検出および使用されます。
詳細は、iscsitadm(1M) および iscsiadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
基本的な操作を次に示します。
バッキングストアディレクトリの識別 – iSCSI デーモンは、作成されたターゲットおよび論理ユニットごとに情報を格納する必要があります。デフォルトでは、このデバイス用のバッキングストアはベースディレクトリ内にも配置されます。このため、ホストシステムが使用する ZFS プールが大規模なものである場合、もっとも簡単な方法は、その場所にあるすべてをデーモンで格納できるように許可することです。バッキングストアを分散する必要がある場合は、各論理ユニットを作成するときにバッキングストアの場所を指定できます。
iSCSI ターゲットの作成 – CLI はデフォルトで、要求されたデバイスの種類が論理ユニット 0 の LBA であるとみなします。文字型デバイスのためにパススルーモードが必要な場合には、-raw オプションを使用する必要があります。最初の LUN を作成したあとで、-lun number を指定して、同じ iSCSI ターゲットのほかの LUN を作成できます。
デーモンによりバックグラウンドタスクが開始され、LUN がゼロに初期化されます。初期化中に基盤となるファイルシステムの使用率が 100 パーセントになった場合、デーモンによりターゲットが削除されます。この初期化中、LUN はオフラインとしてマーク付けされるため、イニシエータから使用することはできません。ただしこのとき、イニシエータからこの LUN を発見することはできます。 待機中の Solaris イニシエータは、Inventory Change 通知を受信するとデバイスを自動的にオンラインにします。
この手順では、iSCSI ターゲットのあるローカルシステムにユーザーがログインしているものとします。
スーパーユーザーになります。
バッキングストアディレクトリを識別します。
次に例を示します。
target# iscsitadm modify admin -d /export/sandbox |
iSCSI ターゲットを作成します。
次に例を示します。
target# iscsitadm create target --size 2g sandbox |
iSCSI ターゲットに関する情報を表示します。
次に例を示します。
target# iscsitadm list target -v sandbox |
このターゲットを検出および使用するように、iSCSI イニシエータを設定します。
詳細は、「iSCSI ターゲット発見を構成する方法」を参照してください。
ネットワークに他社製の iSNS サーバーまたは Sun iSNS サーバーが含まれている場合は、Solaris iSCSI ターゲットの iSNS 発見を設定できます。
この手順では、ユーザーが現在ログインしているローカルシステムから構成済みの iSCSI ターゲットデバイスにアクセスするものとします。
スーパーユーザーになります。
iSNS サーバーの情報を追加します。
次に例を示します。
initiator# iscsitadm modify admin --isns-server ip-address or hostname[:port] |
ネットワーク内の iSNS サーバーの ip-address を特定します。
この手順により、iSNS サーバーの情報がすべての Solaris iSCSI ターゲットに追加されます。
iSNS サーバー発見を有効にします。
次に例を示します。
initiator# iscsitadm modify admin --isns-access enable |
この手順により、すべての Solaris iSCSI ターゲットで iSNS 発見が有効になります。