Solaris のシステム管理 (システム管理エージェント)

付録 A ツールとマニュアルページ

この付録では、システム管理エージェントで使用可能な各種ツールおよびマニュアルページについて説明します。

ツールとユーティリティーの構成ファイル

システム管理エージェントでは、標準の Net-SNMP 実装の場合と同様、snmp.conf 構成ファイルを使って、使用可能なツールとユーティリティーの構成を行います。snmp.conf 構成ファイルは /etc/sma/snmp/ に格納されています。

snmp.conf 構成ファイルを変更する前に、「構成ファイルと構成スクリプト」を参照してください。また、snmp_config(4) および snmp.conf(4) のマニュアルページも、この順序で参照してください。

snmp.conf 構成ファイルは、snmp.conf のマニュアルページに記載されている指示子をサポートします。このファイルに重要な情報を格納する場合は、該当するユーザーだけがファイルを読み取れるようにアクセス権を設定してください。

マニュアルページ

この節では、システム管理エージェントに関連するすべてのマニュアルページを示します。これらのマニュアルページは、内容別の表に示します。

次の表には、一般的な SNMP 情報に関するマニュアルページを一覧します。

表 A–1 一般的な SNMP トピックに関するマニュアルページ

マニュアルページ 

説明 

netsnmp(5)

Solaris ソフトウェア付属の Net-SNMP 実装の概要を示す。sma_snmp(5) のマニュアルページからも参照できる

snmpcmd(1M)

Net-SNMP コマンドの共通オプションについて説明する 

snmp_variables(4)

Net-SNMP コマンドに変数名を指定する際の所定の書式について説明する 

次の表には、Net-SNMP コマンドツールに関するマニュアルページの一覧を示します。

表 A–2 SNMP ツールのマニュアルページ

マニュアルページ 

ツールの説明 

mib2c(1M)

mib2c ツールは、MIB 定義ファイル内のノードを使って、MIB モジュールの基盤となる 2 つの C コードテンプレートファイルを生成する

snmpbulkget(1M)

snmpbulkget ユーティリティーは、SNMP GETBULK 操作によりネットワークマネージャーに情報を送信する SNMP アプリケーションである

snmpbulkwalk(1M)

snmpbulkwalk ユーティリティーは、SNMP GETBULK 要求を通して、ネットワークエンティティーの情報ツリーを効率的に照会する SNMP アプリケーションである

snmpget(1M)

snmpget ユーティリティーは、SNMP GET 要求を通してネットワークエンティティーの情報を照会する SNMP アプリケーションである

snmpgetnext(1M)

snmpgetnext ユーティリティーは、SNMP GETNEXT 要求を通してネットワークエンティティーの情報を照会する SNMP アプリケーションである

snmpinform(1M)

snmpinform コマンドは、SNMP TRAP 操作によりネットワークマネージャーに情報を送信する SNMP アプリケーションである、snmptrap ユーティリティーを呼び出す

snmpnetstat(1M)

snmpnetstat コマンドは、SNMP プロトコルを使ってリモートシステムから取得した各種ネットワーク関連情報の値を記号で表示する

snmpset(1M)

snmpset ユーティリティーは、SNMP SET 要求を通してネットワークエンティティーの情報を設定する SNMP アプリケーションである

snmptrap(1M)

snmptrap ユーティリティーは、SNMP TRAP 操作によりネットワークマネージャーに情報を送信する SNMP アプリケーションである

snmpusm(1M)

snmpusm ユーティリティーは、SNMP エージェントの USM (ユーザーに基づくセキュリティーモデル) テーブルの簡単な保守に使用する SNMP アプリケーションである

snmpvacm(1M)

snmpvacm ユーティリティーは、SNMP エージェントの VACM (ビューに基づくアクセス制御モデル) テーブルの保守に使用する SNMP アプリケーションである

snmpwalk(1M)

snmpwalk ユーティリティーは、SNMP GETNEXT 要求を通してネットワークエンティティーの情報ツリーを照会する SNMP アプリケーションである

snmpdf(1M)

snmpdf コマンドは、df コマンドのネットワーク版である。snmpdf は、HOST-RESOURCES-MIB の hrStorageTable または UCD-SNMP-MIB の dskTable を調べて、リモートマシンのディスク容量をチェックする

snmpdelta(1M)

snmpdelta ユーティリティーは、指定された整数値の OID を監視する。このユーティリティーは、時間の経過による変化を報告する

snmptable(1M)

snmptable ユーティリティーは、SNMP GETNEXT または GETBULK 要求を繰り返し使用して、ネットワークエンティティーの情報を照会する SNMP アプリケーションである

snmptest(1M)

snmptest ユーティリティーは、ネットワークエンティティーの情報を監視および管理できる柔軟性の高い SNMP アプリケーションである。このユーティリティーは、コマンド行インタプリタを使って、さまざまな型の SNMP 要求をターゲットエージェントに送信できる

snmptranslate(1M)

snmptranslate ユーティリティーは、1 つ以上の SNMP オブジェクト識別子の値を記号やテキスト形式から数値形式へ変換するアプリケーションである。このアプリケーションはまた、 1 つ以上の SNMP オブジェクト識別子の値を数値形式から記号やテキスト形式へも変換する

snmpstatus(1M)

snmpstatus コマンドは、ネットワークエンティティーから複数の重要な統計情報を取得する SNMP アプリケーションである

次の表には、Net-SNMP エージェントが使用する構成ファイルに関連するマニュアルページの一覧を示します。

表 A–3 SNMP 構成ファイルのマニュアルページ

マニュアルページ 

説明 

snmp_config(4)

システム管理エージェント付属の Net-SNMP 構成ファイルの概要を示す 

snmp.conf(4)

snmp.conf ファイルは、snmpgetsnmpwalk などの Net-SNMP アプリケーションの動作を定義する

snmpd.conf(4)

snmpd.conf ファイルは、Net-SNMP エージェントの動作を定義する

snmptrapd.conf(4)

snmptrapd.conf ファイルは、Net-SNMP トラップ受信デーモン snmptrapd がトラップを受信したときの動作を定義する

snmpconf(1M)

snmpconf ユーティリティーは、ユーザーに質問するスクリプトである。スクリプトは、ユーザーの応答に基づいて snmpd.conf 構成ファイルを作成する

次の表には、Net-SNMP に関連付けられたデーモンのマニュアルページの一覧を示します。

表 A–4 SNMP デーモンのマニュアルページ

マニュアルページ 

説明 

snmpd(1M)

snmpd デーモンは SNMP エージェントである。ポートにバインドされ、SNMP 管理ソフトウェアからの要求を待つ

snmptrapd(1M)

snmptrapd デーモンは、SNMP TRAP および INFORM メッセージを受信し、ログに記録する SNMP アプリケーションである

表 A–5 移行スクリプトのマニュアルページ

マニュアルページ 

説明 

masfcnv(1M)

masfcnv 移行スクリプトは、Sun SNMP Management Agent for Sun Fire and Netra Systems 用の既存の構成ファイルセットを SMA へ移行する場合に役立つ