Solaris WBEM 開発ガイド

インジケーションの作成と配信

クライアントアプリケーションが、 CIM_IndicationSubscription クラスのインスタンスを作成して CIM イベントのインジケーションを予約すると、CIMOM は、この要求を適切なプロバイダに転送します。プロバイダが EventProvider インタフェースを実装する場合、CIMOM は、指定するイベントのインジケーションの送信をいつ開始するかをプロバイダに通知します。プロバイダは、activateFilter メソッドを呼び出すことにより、この通知を行います。また、CIMOM は、プロバイダの deActivateFilter メソッドを呼び出して、指定するイベントのインジケーションの送信をいつ停止するかをプロバイダに通知します。

プロバイダは、インスタンスを作成、変更、削除するたびに、インジケーションを作成、配信して、CIMOM の要求に応答します。通常、プロバイダは、CIMOM が activateFilter メソッドを呼び出すときに設定されるフラグ変数を定義します。このフラグの設定は、CIMOM が deActivateFilter メソッドを呼び出すときにクリアされます。そのあと、プロバイダは、インスタンスを作成、変更、または削除するメソッドの中で、動作中のフラグの状態を検査します。フラグが設定されている場合、プロバイダは、作成された CIM インスタンスオブジェクトを含むインジケーションを作成します。プロバイダは、deliverEvent メソッドを使って、CIMOM にインジケーションを返します。フラグが設定されていない場合、プロバイダは、イベントインジケーションの作成や配信を行いません。

プロバイダは、activateFilter メソッドが呼び出されると、インジケーションの配信を開始します。プロバイダは、CIM_Indication の concrete (具象) サブクラスのインスタンスを作成し、ProviderCIMOMHandled.deliverIndication メソッドを起動します。CIMOM は、インジケーションを受信し、そのインジケーションを適切なインジケーションハンドラに配信します。プロバイダは、複数の種類のイベントを処理できます。たとえば、ライフサイクルインジケーションの場合、プロバイダは CIM_InstCreationCIM_InstDeletion、および CIM_InstModification を処理できます。

予約者が設定した種類を監視する場合、プロバイダは activateFilter および deActivateFilter 呼び出しにそれぞれ渡された firstActivation および lastActivation フラグを使用できます。firstActivation フラグは、特定のイベントの種類をはじめて予約した場合には、true になります。同様に lastActivation は、特定のイベントの種類の最後の予約を削除すると、true になります。これらのフラグを検査すると、プロバイダは、指定したイベントの種類を監視するために簡単にリソースを割り当てたり、割り当てを解除したりすることができます。