オブジェクトのソフトウェア機能は、プロセスのデバッグまたは監視にとって重要なことがあるソフトウェアの特徴を特定します。現在、認識されているソフトウェア機能だけが、オブジェクトによるフレームポインタ使用に関係します。
オブジェクトは、フレームポインタ使用を認識することを示せます。この状態は、フレームポインタを使用中または未使用として宣言することで、修飾されます。
ソフトウェア機能フラグは、sys/elf.h で定義されています。
#define SF1_SUNW_FPKNWN 0x001 #define SF1_SUNW_FPUSED 0x002
これらのソフトウェア機能要件は、次の mapfile 構文を使用して特定できます。
sfcap_1 = TOKEN | Vval [ OVERRIDE ]; |
sfcap_1 の宣言は、トークン FPKNWN と FPUSED で修飾できます。または、これらの状態を表す数値を代わりに使用することもできます。
再配置可能オブジェクトには、ソフトウェア機能の値を含めることができます。リンカーは、複数の入力再配置可能オブジェクトからのソフトウェア機能値を組み合わせます。ソフトウェア機能は、mapfile も提供されます。デフォルトでは、mapfile のすべての値が、再配置可能オブジェクトで提供される値と組み合わせられます。
出力ファイルのソフトウェア機能要件は、OVERRIDE キーワードを使用して mapfile から明示的に制御できます。OVERRIDE キーワードは、ソフトウェア機能値 0 とともに、構築中のオブジェクトからソフトウェア機能要件を事実上削除します。
$ elfdump -H foo.o Hardware/Software Capabilities Section: .SUNW_cap index tag value [0] CA_SUNW_SF_1 0x3 [ SF1_SUNW_FPKNWN SF1_SUNW_FPUSED ] $ cat mapfile sfcap_1 = V0x0 OVERRIDE; $ cc -o bar.o -r -Mmapfile foo.o $ elfdump -H bar.o $ |
2 つのフレームポインタ入力値からの CA_SUNW_SF_1 値は、次のように計算されます。
表 2–1 CA_SUNW_SF_1 フレームポインタフラグ組み合わせ状態テーブル
入力ファイル 1 |
入力ファイル 2 |
||
---|---|---|---|
|
SF1_SUNW_FPKNWN SF1_SUNW_FPUSED |
SF1_SUNW_FPKNWN |
<unknown> |
SF1_SUNW_FPKNWN SF1_SUNW_FPUSED |
SF1_SUNW_FPKNWN SF1_SUNW_FPUSED |
SF1_SUNW_FPKNWN |
SF1_SUNW_FPKNWN SF1_SUNW_FPUSED |
SF1_SUNW_FPKNWN |
SF1_SUNW_FPKNWN |
SF1_SUNW_FPKNWN |
SF1_SUNW_FPKNWN |
<unknown> |
SF1_SUNW_FPKNWN SF1_SUNW_FPUSED |
SF1_SUNW_FPKNWN |
<unknown> |
この計算は、再配置可能オブジェクト値と mapfile 値にそれぞれ適用されます。.SUNW_cap セクションが存在しない場合や、このセクションに CA_SUNW_SF_1 の値が含まれない場合、SF1_SUNW_FPKNW フラグも SF1_SUNW_FPUSED フラグも設定されていない場合は、オブジェクトのフレームポインタソフトウェア機能は不明になります。