Solaris 動的トレースガイド

関数境界プローブ

FBT プロバイダを使用するとカーネル内の関数の開始 (entry) と終了 (return) をトレースすることができるのと同様に、pid プロバイダには、ユーザープログラム内の関数の開始 (entry) と終了 (return) をトレースする機能があります。このマニュアルでは、FBT プロバイダを使ってカーネル関数呼び出しをトレースする例をいくつか紹介していますが、これらの例をほんの少し変更するだけでユーザープロセスにも適用することができます。

entry プローブ

entry プローブは、トレース対象の関数が呼び出されたときに起動します。entry プローブの引数は、トレース対象の関数の引数の値と一致します。

return プローブ

return プローブは、トレース対象の関数が復帰したとき、または別の関数の末尾呼び出しを行なったときに起動します。arg0 には復帰命令の関数のオフセット、arg1 には戻り値が入ります。


注 –

argN を使用すると、フィルタリングされていない生の値が型 int64_t として返されます。pid プロバイダでは args[N ] 書式はサポートされません。