Oracle Solaris セキュリティーサービス開発ガイド

実効特権セット

プロセスが実際に使用できる特権が、プロセスの実効セット内に収められます。プログラム起動時の実効セットは、許可されたセットと等しくなります。その後、実効セットは、許可されたセットと等しいか、あるいはそのサブセットになります。

実効セットを基本特権セットに制限することをお勧めします。中核特権を含む基本特権セットは、「特権の種類」に記述されています。プログラム内で使用しない特権をすべて削除します。必要になるまですべての基本特権をオフにしておきます。たとえば、file_dac_read 特権があれば、すべてのファイルを読み取れます。プログラム内にファイル読み取りルーチンが複数含まれる可能性があります。そうしたプログラムでは、最初にすべての特権をオフにしますが、適切な読み取りルーチンに対して file_dac_read をオンにします。したがって、プログラムが間違った読み取りルーチンに対して file_dac_read 特権を行使することはありえません。こうした方法は「特権の囲い込み」と呼ばれます。特権の囲い込みの例については、「特権のコーディング例」を参照してください。