この章では、最新の Solaris 環境の地域対応機能について説明します。この章の内容は次のとおりです。
この節では、Solaris ロケールパッケージ、CD-ROM ディスク、地域対応機能、およびスクリプト機能について説明します。
すべての 最新の Solaris ロケールパッケージは、完全ロケールまたは部分ロケールに分類されます。
部分ロケールでは、それぞれのロケールが有効になります。部分ロケールがシステムにインストールされている場合、ユーザーは、対象のロケールでテキストの入力、表示、印刷を行なったり、アプリケーションを実行したりできます。ただし、Solaris OS から出される OS/GUI メッセージは英語です。Solaris SOFTWARE CD には、すべての部分ロケールパッケージが格納されています。日本語およびアジア各国語の部分ロケールはその言語に対応してパッケージ化されていますが、その他の部分ロケールは地理的な地域に対応してパッケージ化されています。
完全ロケールパッケージには、ソフトウェアメッセージの翻訳、オンラインヘルプ、オプションフォント、および言語固有の機能が含まれます。完全ロケールパッケージは、多数の言語に対して完全な言語の機能を提供します。次の言語に基づくロケールはすべて完全ロケールです。
ドイツ語
フランス語
スペイン語
スウェーデン語
イタリア語
日本語
韓国語
簡体字中国語
繁体字中国語
完全ロケールは言語別にパッケージ化され、LANGUAGES CD に格納されています。
完全ロケールを機能させるためには、部分ロケールパッケージ (ロケールを有効にするもの) をインストールする必要があります。
Solaris のインストールプロセス中に、サポートが必要な地域の選択を求められます。インストール終了後に利用できるロケールのサポートは、この段階での選択によって決まります。部分ロケールは Solaris OS とともに Solaris SOFTWARE CD からインストールされ、完全ロケールは LANGUAGES CD からインストールされます。完全ロケールのサポートが必要ない場合は、LANGUAGES CD からのインストールを省略できます。なお、英語ロケールはデフォルトでインストールされます。
次の表に Solaris 環境でサポートされるすべてのロケールを示します。ロケール名は国際的な命名規格に従います。
表 3–1 アジアのロケール表 3–2 オーストラリアのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
en_AU.ISO8859-1 |
英語 |
オーストラリア |
ISO8859-1 |
英語 (オーストラリア) |
en_NZ.ISO8859-1 |
英語 |
ニュージーランド |
ISO8859-1 |
英語 (ニュージーランド) |
表 3–3 中央アメリカのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
es_CR.ISO8859-1 |
スペイン語 |
コスタリカ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (コスタリカ) |
es_GT.ISO8859-1 |
スペイン語 |
グアテマラ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (グアテマラ) |
es_NI.ISO8859-1 |
スペイン語 |
ニカラグア |
ISO8859-1 |
スペイン語 (ニカラグア) |
es_PA.ISO8859-1 |
スペイン語 |
パナマ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (パナマ) |
es_SV.ISO8859-1 |
スペイン語 |
エルサルバドル |
ISO8859-1 |
スペイン語 (エルサルバドル) |
表 3–4 中央ヨーロッパのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
cs_CZ.ISO8859-2 |
英語 |
チェコ共和国 |
ISO8859-2 |
チェコ語 (チェコ) |
de_AT.ISO8859-1 |
ドイツ語 |
オーストリア |
ISO8859-1 |
ドイツ語 (オーストリア) |
de_AT.ISO8859-15 |
ドイツ語 |
オーストリア |
ISO8859-15 |
ドイツ語 (オーストリア、ISO8859-15 - Euro) |
de_CH.ISO8859-1 |
ドイツ語 |
スイス |
ISO8859-1 |
ドイツ語 (スイス) |
de_DE.UTF-8 |
ドイツ語 |
ドイツ |
UTF-8 |
ドイツ語 (ドイツ、Unicode 4.0) |
de_DE.ISO8859-1 |
ドイツ語 |
ドイツ |
ISO8859-1 |
ドイツ語 (ドイツ) |
de_DE.ISO8859-15 |
ドイツ語 |
ドイツ |
ISO8859-15 |
ドイツ語 (ドイツ、ISO8859-15 - Euro) |
fr_CH.ISO8859-1 |
フランス語 |
スイス |
ISO8859-1 |
フランス語 (スイス) |
hu_HU.ISO8859-2 |
英語 |
ハンガリー |
ISO8859-2 |
ハンガリー語 (ハンガリー) |
pl_PL.ISO8859-2 |
英語 |
ポーランド |
ISO8859-2 |
ポーランド語 (ポーランド) |
pl_PL.UTF-8 |
英語 |
ポーランド |
UTF-8 |
ポーランド語 (ポーランド、Unicode 4.0) |
sk_SK.ISO8859-2 |
英語 |
スロバキア |
ISO8859-2 |
スロバキア語 (スロバキア) |
表 3–5 東ヨーロッパのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
bg_BG.ISO8859-5 |
英語 |
ブルガリア |
ISO8859-5 |
ブルガリア語 (ブルガリア) |
et_EE.ISO8859-15 |
英語 |
エストニア |
ISO8859-15 |
エストニア語 (エストニア) |
hr_HR.ISO8859-2 |
英語 |
クロアチア |
ISO8859-2 |
クロアチア語 (クロアチア) |
lt_LT.ISO8859-13 |
英語 |
リトアニア |
ISO8859-13 |
リトアニア語 (リトアニア) |
lv_LV.ISO8859-13 |
英語 |
ラトビア |
ISO8859-13 |
ラトビア語 (ラトビア) |
mk_MK.ISO8859-5 |
英語 |
マケドニア |
ISO8859-5 |
マケドニア語 (マケドニア) |
ro_RO.ISO8859-2 |
英語 |
ルーマニア |
ISO8859-2 |
ルーマニア語 (ルーマニア) |
ru_RU.KOI8-R |
英語 |
ロシア |
KOI8-R |
ロシア語 (ロシア、KOI8-R) |
ru_RU.ANSI1251 |
英語 |
ロシア |
ansi-1251 |
ロシア語 (ロシア、ANSI 1251) |
ru_RU.ISO8859-5 |
英語 |
ロシア |
ISO8859-5 |
ロシア語 (ロシア) |
ru_RU.UTF-8 |
英語 |
ロシア |
UTF-8 |
ロシア語 (ロシア、Unicode 4.0) |
sh_BA.ISO8859-2@bosnia |
英語 |
ボスニア |
ISO8859-2 |
ボスニア語 (ボスニア) |
sl_SI.ISO8859-2 |
英語 |
スロベニア |
ISO8859-2 |
スロベニア語 (スロベニア) |
sq_AL.ISO8859-2 |
英語 |
アルバニア |
ISO8859-2 |
アルバニア語 (アルバニア) |
sr_YU.ISO8859-5 |
英語 |
セルビア |
ISO8859-5 |
セルビア語 (セルビア) |
tr_TR.ISO8859-9 |
英語 |
トルコ |
ISO8859-9 |
トルコ語 (トルコ) |
tr_TR.UTF-8 |
英語 |
トルコ |
UTF-8 |
トルコ語 (トルコ、Unicode 4.0) |
表 3–6 中東のロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
He |
英語 |
イスラエル |
ISO8859-8 |
ヘブライ語 (イスラエル) |
表 3–7 北アフリカのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
ar_EG.UTF-8 |
英語 |
エジプト |
UTF-8 |
アラビア語 (エジプト) |
Ar |
英語 |
エジプト |
ISO8859-6 |
アラビア語 (エジプト) |
表 3–8 北アメリカのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
en_CA.ISO8859-1 |
英語 |
カナダ |
ISO8859-1 |
英語 (カナダ) |
en_US.ISO8859-1 |
英語 |
米国 |
ISO8859-1 |
英語 (U.S.A.) |
en_US.ISO8859-15 |
英語 |
米国 |
ISO8859-15 |
英語 (U.S.A., ISO8859-15 - Euro) |
en_US.UTF-8 |
英語 |
米国 |
UTF-8 |
英語 (米国、Unicode 4.0) |
fr_CA.ISO8859-1 |
フランス語 |
カナダ |
ISO8859-1 |
フランス語 (カナダ) |
es_MX.ISO8859–1 |
スペイン語 |
メキシコ |
ISO8859–1 |
スペイン語 (メキシコ) |
表 3–9 北ヨーロッパのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
da_DK.ISO8859–1 |
英語 |
デンマーク |
ISO8859–1 |
デンマーク語 (デンマーク) |
da_DK.ISO8859-15 |
英語 |
デンマーク |
ISO8859–15 |
デンマーク語 (デンマーク、ISO8859–15–Euro) |
fi_FI.ISO8859–1 |
英語 |
フィンランド |
ISO8859–1 |
フィンランド語、Unicode 4.0 |
fi_FI.ISO8859–15 |
英語 |
フィンランド |
ISO8859-15 |
フィンランド語 (フィンランド、ISO8859–15–Euro) |
fi_FI.UTF-8 |
英語 |
フィンランド |
UTF-8 |
フィンランド語 (フィンランド) |
is_IS.ISO8859–1 |
英語 |
アイスランド |
ISO8859–1 |
アイスランド語 (アイスランド) |
no_NO.ISO8859–1@bokmal |
英語 |
ノルウェー |
ISO8859–1 |
ノルウェー語 (ノルウェー ブークモール語) |
no_NO.ISO8859–1@nyorsk |
英語 |
ノルウェー |
ISO8859–1 |
ノルウェー語 (ノルウェー ニーノシク語) |
sv_SE.ISO8859–1 |
スウェーデン語 |
スウェーデン |
ISO8859–1 |
スウェーデン語 (スウェーデン) |
sv_SE.ISO8859-15 |
スウェーデン語 |
スウェーデン |
ISO8859-15 |
スウェーデン語 (スウェーデン、ISO8859–15–Euro) |
sv_SE.UTF-8 |
スウェーデン語 |
スウェーデン |
UTF-8 |
スウェーデン語 (スウェーデン、Unicode 4.0) |
表 3–10 南アメリカのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
es_AR.ISO8859-1 |
スペイン語 |
アルゼンチン |
ISO8859-1 |
スペイン語 (アルゼンチン) |
es_BO.ISO8859-1 |
スペイン語 |
ボリビア |
ISO8859-1 |
スペイン語 (ボリビア) |
es_CL.ISO8859-1 |
スペイン語 |
チリ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (チリ) |
es_CO.ISO8859-1 |
スペイン語 |
コロンビア |
ISO8859-1 |
スペイン語 (コロンビア) |
es_EC.ISO8859-1 |
スペイン語 |
エクアドル |
ISO8859-1 |
スペイン語 (エクアドル) |
es_PE.ISO8859-1 |
スペイン語 |
ペルー |
ISO8859-1 |
スペイン語 (ペルー) |
es_PY.ISO8859-1 |
スペイン語 |
パラグアイ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (パラグアイ) |
es_UY.ISO8859-1 |
スペイン語 |
ウルグアイ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (ウルグアイ) |
es_VE.ISO8859-1 |
スペイン語 |
ベネズエラ |
ISO8859-1 |
スペイン語 (ベネズエラ) |
pt_BR.ISO8859-1 |
英語 |
ブラジル |
ISO8859-1 |
ポルトガル語 (ブラジル) |
pt_BR.UTF-8 |
英語 |
ブラジル |
UTF-8 |
ポルトガル語 (ブラジル、Unicode 4.0) |
表 3–11 南ヨーロッパのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
ca_ES.ISO8859-1 |
英語 |
スペイン |
ISO8859-1 |
カタロニア語 (スペイン) |
ca_ES.ISO8859-15 |
英語 |
スペイン |
ISO8859-15 |
カタロニア語 (スペイン、ISO8859-15 - Euro) |
el_GR.ISO8859-7 |
英語 |
ギリシャ |
ISO8859-7 |
ギリシャ語 (ギリシャ) |
es_ES.ISO8859-1 |
スペイン語 |
スペイン |
ISO8859-1 |
スペイン語 (スペイン) |
es_ES.ISO8859-15 |
スペイン語 |
スペイン |
ISO8859-15 |
スペイン語 (スペイン、ISO8859-15 - Euro) |
es_ES.UTF-8 |
スペイン語 |
スペイン |
UTF-8 |
スペイン語 (スペイン、Unicode 4.0) |
it_IT.ISO8859-1 |
イタリア語 |
イタリア |
ISO8859-1 |
イタリア語 (イタリア) |
it_IT.ISO8859-15 |
イタリア語 |
イタリア |
ISO8859-15 |
イタリア語 (イタリア、ISO8859-15 - Euro) |
it_IT.UTF-8 |
イタリア語 |
イタリア |
UTF-8 |
イタリア語 (イタリア、Unicode 4.0) |
pt_PT.ISO8859-1 |
英語 |
ポルトガル |
ISO8859-1 |
ポルトガル語 (ポルトガル) |
pt_PT.ISO8859-15 |
英語 |
ポルトガル |
ISO8859-15 |
ポルトガル語 (ポルトガル、ISO8859-15 - Euro) |
表 3–12 西ヨーロッパのロケール
ロケール |
ユーザーインタフェース |
地域 |
コードセット |
言語サポート |
---|---|---|---|---|
en_GB.ISO8859-1 |
英語 |
イギリス |
ISO8859-1 |
英語 (イギリス) |
en_IE.ISO8859-1 |
英語 |
アイルランド |
ISO8859-1 |
英語 (アイルランド) |
fr_BE.ISO8859-1 |
フランス語 |
ベルギーのワロン |
ISO8859-1 |
フランス語 (ベルギーのワロン、Unicode 4.0) |
fr_BE.UTF-8 |
フランス語 |
ベルギーのワロン |
UTF-8 |
フランス語 (ベルギーのワロン、Unicode 4.0) |
fr_FR.ISO8859-1 |
フランス語 |
フランス |
ISO8859-1 |
フランス語 (フランス) |
fr_FR.UTF-8 |
フランス語 |
フランス |
UTF-8 |
フランス語 (フランス、Unicode 4.0) |
nl_BE.ISO8859-1 |
英語 |
ベルギーのフラマン |
ISO8859-1 |
ドイツ語 (ベルギーのフラマン) |
nl_NL.ISO8859-1 |
英語 |
オランダ |
ISO8859-1 |
ドイツ語 (オランダ) |
Solaris ロケールの多く、とりわけヨーロッパや Unicode のロケールでは、いわゆる「デッドキーシーケンス」(Compose キーシーケンスともいう) を使ってさまざまな文字を入力できます。
Compose キーシーケンスは、キーボードのキー表面に示されていない発音記号などの文字を入力するときに使用します。
次の表に、Compose キーシーケンスのいくつかの例を示します。Compose キーシーケンスの詳細については、「英語/ヨーロッパ言語入力モード」を参照してください。
表 3–13 Compose キーで入力する発音記号の例
記号 |
Compose キーとの組み合わせ |
例 |
---|---|---|
Dieresis |
|
Compose A “ —> A とdiaeresis |
Caron |
v |
Compose Z v —> Z とcaron |
Breve |
u |
Compose G u —> G とbreve |
Ogonek |
a |
Compose A a —> A とOgonek |
Cedilla |
, |
Compose K , —> K とcedilla |
登録標識 |
R O |
Compose R O —> 登録商標 |
感嘆符の反転 |
! ! |
Compose ! ! —> 感嘆符の反転 |
ロケールのコードセットに対応する文字がない場合は、Compose キーシーケンスを使用できません。たとえば、ISO8859–1 コードセットには caron 付きの Z がないため、en_US.ISO8859–1 ロケールで caron 付きの Z を入力できません。
特定地域向けのさまざまな配列のキーボードが SPARC プラットフォームおよび x86 プラットフォームでサポートされています。Solaris OS は、次の表に示す地域向けのキーボードをサポートします。
表 3–14 地域向けキーボードのサポート
領域 |
国 |
Sun キーボード (Type 4/5/5c) |
Sun キーボード (Type 6) |
PC キーボード |
---|---|---|---|---|
アジア |
日本 |
X |
X |
X |
|
韓国 |
X |
X |
X |
|
台湾 |
X |
X |
X |
ヨーロッパ |
ベルギー |
X |
X |
X |
|
チェコ共和国 |
X |
|
X |
|
デンマーク |
X |
X |
X |
|
フィンランド |
|
X |
|
|
フランス |
X |
X |
X |
|
ドイツ |
X |
X |
X |
|
イギリス |
X |
X |
X |
|
ギリシャ |
X |
|
X |
|
ハンガリー |
X |
|
X |
|
イタリア |
X |
X |
X |
|
ラトビア |
X |
|
X |
|
リトアニア |
X |
|
X |
|
オランダ |
X |
X |
X |
|
ノルウェー |
X |
X |
X |
|
ポーランド |
X |
|
X |
|
ポルトガル |
X |
X |
X |
|
ロシア |
X |
X |
X |
|
スペイン |
X |
X |
X |
|
スウェーデン |
X |
X |
X |
|
スイス (フランス語) |
X |
X |
X |
|
スイス (ドイツ語) |
X |
X |
X |
|
トルコ |
X |
X |
X |
アメリカ |
カナダ (フランス語) |
X |
X |
X |
|
ラテンアメリカ (スペイン語) |
X |
|
|
|
米国 |
X |
X |
X |
中東 |
アラビア語 |
X |
X |
|
国際標準に準拠するキー配列を使用する中国などの地域では、米国向けのキー配列サポートに基づいてロケールの文字を入力します。基本的なキーボードマッピングはどちらも同じです。日本、トルコ、スイスなど一部の国では、複数の言語が使用されていたり、複数のキー配列が存在するため、複数のキーボードが使用されます。
Sun の Type 4、5、5c キーボードでは、Mini DIN 8 ピン接続に基づく Sun 入出力インタフェースが使用されます。Sun の Type 6 キーボードには、次の 2 種類のインタフェースがあります。
Mini DIN 8–ピン接続による Sun 入出力
USB
キーボードタイプは、Sun のキーボードの裏面に印刷されています。
PC キーボードのインタフェースには、PS/2 や USB など、さまざまなものがあります。
Sun のほとんどの Type 4、5、5c キーボードでは、DIP スイッチの設定によって Solaris システムのキー配列を変更できます。DIP スイッチの設定で配列を変更できるキーボードのタイプ、名称、対応する配列 ID は、/usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイルに記載されています。
Type 6 キーボードの裏面には DIP スイッチがないため、このタイプのキーボードの配列を変えることはできません。米国、 米国/UNIX、日本語キーボードなどの一部の Type 5 および 5c キーボードには、DIP スイッチの代わりにジャンパがあります。xmodmap(1) などのユーティリティは別として、SPARC プラットフォームおよび x86 プラットフォームでは、キーボードを変更するユーティリティやツールは提供されていません。
次の表に、Type 4、5、および 5c キーボードの配列 ID 値を示します (1 = スイッチ Up、0 = スイッチ Down)。
表 3–15 Type 4、5、5c キーボードの配列
DIP スイッチ |
キーボード (キーテーブルファイル) |
設定 (2 進数) |
---|---|---|
0 |
米国 (US4.kt) |
000000 |
1 |
米国 (US4.kt) |
000001 |
2 |
ベルギー (FranceBelg4.kt) |
000010 |
3 |
カナダ (Canada4.kt) |
000011 |
4 |
デンマーク (Denmark4.kt) |
000100 |
5 |
ドイツ (Germany4.kt) |
000101 |
6 |
イタリア (Italy4.kt) |
000110 |
7 |
オランダ (Netherland4.kt) |
000111 |
8 |
ノルウェー (Norway4.kt) |
001000 |
9 |
ポルトガル (Portugal4.kt) |
001001 |
10 (0x0a) |
ラテンアメリカ/スペイン語 (SpainLatAm4.kt) |
001010 |
11 (ox0b) |
スウェーデン (SwedenFin4.kt) |
001011 |
12 (0x0c) |
スイス/フランス語 (Switzer_Fr4.kt) |
001100 |
13 (0x0d) |
スイス/ドイツ語 (Switzer_Ge4.kt) |
001101 |
14 (0x0e) |
イギリス (UK4.kt) |
001110 |
16 (0x10) |
韓国 (Korea4.kt) |
010000 |
17 (0x11) |
台湾 (Taiwan4.kt) |
010001 |
23 |
ロシア語 |
100001 |
33 (0x21) |
米国 (US5.kt) |
100111 |
34 (0x22) |
米国./UNIX (US_UNIX5.kt) |
100010 |
35 (0x23) |
フランス (France5.kt) |
100011 |
36 (0x24) |
デンマーク (Denmark5.kt) |
100100 |
37 (0x25) |
ドイツ (Germany5.kt) |
100101 |
38 (0x26) |
イタリア (Italy5.kt) |
100110 |
39 (0x27) |
オランダ (Netherland5.kt) |
100111 |
40 (0x28) |
ノルウェー (Norway5.kt) |
101000 |
41 (0x29) |
ポルトガル (Portugal5.kt) |
101001 |
42 (0x2a) |
スペイン (Spain5.kt) |
101010 |
43 (0x2b) |
スウェーデン (Sweden5.kt) |
101011 |
44 (0x2c) |
スイス/フランス語 (Switzer_Fr5.kt) |
101101 |
45 (0x2d) |
スイス/ドイツ語 (Switzer_Ge5.kt) |
101110 |
46 (0x2e) |
イギリス (UK5.kt) |
101111 |
47 (0x2f) |
韓国 (Korea5.kt) |
101111 |
48 (0x30) |
台湾 (Taiwan5.kt) |
110000 |
49 (0x31) |
日本 (Japan5.kt) |
110001 |
50 (0x32), 63 (0x3f) |
カナダ/フランス語 (Canada_Fr5.kt) |
110010 |
51 0(x33) |
ハンガリー (Hungary5.kt) |
110011 |
52 (0x34 |
ポーランド (Poland5.kt) |
110100 |
53 (0x35) |
チェコ (Czech5.kt) |
110101 |
54 (0x36) |
ロシア (Russia5.kt) |
110110 |
55 (0x37) |
ラトビア (Latvia5.kt) |
110111 |
56 (0x38), 62 (0x3e) |
トルコ-Q5 (TurkeyQ5.kt) |
111000 |
57 (0x39) |
ギリシャ (Greece5.kt) |
111001 |
58 (0x3a) |
アラブ (Arabic5.kt) |
111011 |
59 (0x3b) |
リトアニア (Lithuania5.kt) |
111010 |
60 (0x3c) |
ベルギー (Belgian5.kt) |
111100 |
62 (0x3e) |
カナダ/フランス語 (Canada_Fr5_TBITS5.kt) |
111111 |
|
フランス語系カナダ |
|
|
ポーランド語プログラマ |
|
|
エストニア語 |
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4 が付いたキーテーブルファイル名は Type 4 キーボードを、5 が付いたキーテーブルファイル名は Type 5 キーボードをそれぞれ表します。
この表または /usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.mp ファイルで正しい DIP スイッチ ID (配列 ID) を確認します。keytable.mp ファイルの配列 ID 値は 10 進数で表されています。
チェコの場合、配列 ID は 10 進数の 53 です (16 進数では 0x35)。
配列 ID を 2 進数に変換するか、上の表の設定値を使用します。この変換には、dtcalc(1) などの計算ユーティリティが使用できます。
チェコキーボードの場合、2 進数の値は 110101 です。
システムをシャットダウンし、電源を切ります。
キーボード裏面の DIP スイッチの設定を手順 2 の 2 進数に変更します。
左側が最初の DIP スイッチです。1 の場合はスイッチを Up に、0 の場合はスイッチを Down にします。
したがって、チェコキーボードの 2 進数 110101 はUp Up Down Up Down Up になります。
電源を入れ、システムを起動します。
Type 4 キーボードとは異なり、Type 5、5c キーボードには、DIP スイッチが 5 つしかありません。Type 5、5c キーボードの場合は、2 進数の最初の桁を無視してください。たとえば、チェコ Type 5c キーボードの場合は後ろの 5 桁 (10101) だけを使用するため、DIP スイッチの設定は Up Down Up Down Up になります。
Intel アーキテクチャの場合、インストール時の kdmconfig(1M) の箇所でキーボードを選択します。インストール後にその設定を変更するには、GUI デスクトップ環境を終了してコマンド行モードにします。スーパーユーザーとして kdmconfig を実行します。説明に従って、必要なキー配列を選択します。
このリリースでは、次の追加キーボードのためのソフトウェアサポートがあります。
ロシア語 Type 6 USB キーボード
エストニア語 Type 6 USB キーボード
フランス語系カナダ Type 6 USB キーボード
ポーランド語プログラマの Type 5 キーボード
/usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイルの US6.kt のエントリを Estonia6.kt に変更します。
変更後のエントリは次のようになります。
6 0 Estonia6.kt |
/usr/openwin/share/lib/locale/iso_8859_15/Compose ファイルに次のエントリのいずれかを追加します。
変更後のエントリは次のようになります。
<scaron> : "/xa8" scaron <scaron> : "/xa6" scaron <scaron> : "/270" scaron <scaron> : "/264" scaron |
システムを再起動して変更を適用します。
/usr/openwin/share/etc/keytables/keytable.map ファイルの US6.kt のエントリを Canada6.kt に変更します。
変更後のエントリは次のようになります。
6 0 Canada6.kt |
システムを再起動して変更を適用します。