この『国際化対応言語環境の利用ガイド』は、SolarisTM オペレーティングシステム (Solaris OS) の新しい国際化機能について説明します。このマニュアルには、Solaris の最新リリースを使用してさまざまな言語や文化的な慣行をサポートするグローバルソフトウェア製品を作成する方法についての、重要な情報が含まれています。
さらに、このリリースの国際化機能に関するその他の情報が記載されているほかのマニュアルもこのマニュアルで示されています。
このマニュアルの中のオペレーティングシステムに関するすべての情報は Solaris OS に基づいています。
この章の内容は次のとおりです。
このリリースでは、SPARC® および x86 系列のプロセッサアーキテクチャ (UltraSPARC®、SPARC64、AMD64、 Pentium、Xeon EM64T) を使用するシステムをサポートします。 サポートされるシステムについては、Solaris 10 Hardware Compatibility List (http://www.sun.com/bigadmin/hcl) を参照してください。本書では、プラットフォームにより実装が異なる場合は、それを特記します。
本書では、「x86」という用語は AMD64 あるいは Intel Xeon/Pentium 製品系列と互換性のあるプロセッサを使用して製造された 32 ビットおよび 64 ビットシステムを意味します。サポートされるシステムについては、Solaris 10 Hardware Compatibility List を参照してください。
このマニュアルは、最新の Solaris OS でグローバルアプリケーションを設計およびサポートするソフトウェア開発者およびシステム管理者を対象にしています。
C プログラミング言語の実践的な知識があることを前提としています。
このマニュアルは次のように構成されています。
第 1 章「Solaris 国際化の概要」では、Solaris の最新リリースで使用できる新しい国際化機能および地域対応機能について説明します。
第 2 章「一般的な国際化機能」では、コードセットの独立性 (CSI)、ロケールデータベース、libc の API、およびその他の国際化機能についての基本について説明します。
第 3 章「Solaris 環境における地域対応」では、最新の Solaris OS での使用がサポートされているロケール、フォント、およびキーボードについて説明します。
第 4 章「サポートされるアジアのロケール」では、Solaris の最新リリースの日本語、ヒンディー語、およびタイ語の地域対応サポートについて説明します。
第 5 章「UTF-8 ロケールサポートの概要」では、最新の Solaris OS での使用がサポートされている入力方式およびコード変換機能について説明します。
第 6 章「CTL: Complex Text Layout」では、Complex Text Layout (CTL) 拡張機能について説明します。この機能は、論理テキスト表現と物理テキスト表現の間で複雑な変換が必要な表記体系をサポートする Motif の API を有効にします。複雑な変換が必要な表記体系には、アラビア語、ヘブライ語、およびタイ語があります。
第 7 章「mp による印刷フィルタの拡張」では、mp 印刷フィルタを中心に印刷サポートについて説明します。
付録 A 「iconv コード変換」では、iconv 変換モジュールの表を示します。
このマニュアルの内容に関連するその他の情報が、以下のマニュアルで説明されています。
Solaris 国際化:
Tuthill, Bill, and David Smallberg『Creating Worldwide Software: Solaris International Developer's Guide』2nd edition. Mountain View, California, Sun Microsystems Press, 1997 (このマニュアルの入手先は http://www.sun.com/books/。Solaris OS の国際化の処理について全般的に説明している)
中国語および韓国語の Solaris ロケール:
『Korean Solaris User's Guide』
『Simplified Chinese Solaris User's Guide』
『Traditional Chinese Solaris User's Guide』
OSF/Motif アプリケーション開発:
『 OSF/Motif Programmer's Guide, Release 1.2』Englewood Cliffs, New Jersey, Prentice-Hall, 1993 (Motif アプリケーションを作成するための OSF/Motif アプリケーションプログラミングインタフェースの使い方についての Open Software Foundation (OSF) のマニュアル)
docs.sun.com では、Sun が提供しているオンラインマニュアルを参照することができます。マニュアルのタイトルや特定の主題などをキーワードとして、検索を行うこともできます。URL は、http://docs.sun.com です。
このマニュアルでは、次のような字体や記号を特別な意味を持つものとして使用します。
表 P–1 表記上の規則
字体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コード例を示します。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 system% |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して示します。 |
system% su password: |
AaBbCc123 |
変数を示します。実際に使用する特定の名前または値で置き換えます。 |
ファイルを削除するには、rm filename と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『コードマネージャ・ユーザーズガイド』を参照してください。 |
「 」 |
参照する章、節、ボタンやメニュー名、強調する単語を示します。 |
第 5 章「衝突の回避」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
\ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合に、継続を示します。 |
sun% grep `^#define \ XV_VERSION_STRING' |
コード例は次のように表示されます。
[ ] は省略可能な項目を示します。上記の例は、filename は省略してもよいことを示しています。
| は区切り文字 (セパレータ) です。この文字で分割されている引数のうち 1 つだけを指定します。
キーボードのキー名は英文で、頭文字を大文字で示します (例: Shift キーを押します)。ただし、キーボードによっては Enter キーが Return キーの動作をします。
ダッシュ (-) は 2 つのキーを同時に押すことを示します。たとえば、Ctrl-D は Control キーを押したまま D キーを押すことを意味します。
このマニュアルでは、英語環境での画面イメージを使っています。このため、実際に日本語環境で表示される画面イメージとこのマニュアルで使っている画面イメージが異なる場合があります。本文中で画面イメージを説明する場合には、日本語のメニュー、ボタン名などの項目名と英語の項目名が、適宜併記されています。