Java Desktop System Release 3 システム管理

GConf リポジトリ

GConf リポジトリ内の各設定は、キーと値のペアで構成されます。GConf 設定キーは、アプリケーション設定に対応するリポジトリ内の要素です。たとえば、/apps/gnome-session/options/show_splash_screen 設定キーは、セッション設定ツールの 「ログイン時にスプラッシュ画面を表示する」オプションに対応します。Java Desktop System のユーザーインタフェースには、GConf リポジトリ内のすべての設定キーが含まれるわけではありません。たとえば、Panel 設定ツールには /apps/panel/global/tooltips_enabled キーに対応するオプションは含まれていません。

リポジトリは、単純な階層ファイルシステムのように構成されています。リポジトリには、次のものが含まれます。

通常、設定キーは、次の単純なデータ型を持ちます。

リポジトリ内の設定キーの形式は、リポジトリの読み取りに使用されるバックエンドモジュールに依存します。次は、リポジトリの読み取りに XML (Extensible Markup Language) が使用される場合の /desktop/gnome/interface/font_name 設定キーの例です。

<entry name="font_name" mtime="1038323555" muser="user123" type="string">
<stringvalue>Sans 10</stringvalue></entry>

注 –

このマニュアルでは、設定キーを参照するときに、キーのパス名をそのキーの名前に追加しています。たとえば、/desktop/gnome/interface サブディレクトリ内の font_name 設定キーは、/desktop/gnome/interface/font_name と示されます。


GConf 構成ソース

GConf リポジトリは、「構成ソース」と呼ばれる一連の保存場所を記述した設定ファイルを含んでいます。構成ソースは、「GConf パスファイル」に記述されます。GConf パスファイルの場所は、/etc/gconf/gconf-version-number/path です。各ユーザーは、パスファイルを持っています。このパスファイルは、各構成ソースに対して次の情報を指定します。

GConf パスファイルには、include 命令も含まれています。デフォルトでは、GConf パスファイルの内容は次のようになります。

xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.mandatory
include /etc/gconf/2/local-mandatory.path
apoc:readonly:mandatory@
include "$(HOME)/.gconf.path"
xml:readwrite:$(HOME)/.gconf
apoc:readonly:@
include /etc/gconf/2/local-defaults.path
xml:readonly:/etc/gconf/gconf.xml.defaults

GConf が設定値を検索する場合、GConf は、パスファイル内で指定された順に構成ソースを読みます。次の表は、パスファイル内の構成ソースです。

構成ソース 

説明 

必須 (xml:readonly:/etc/gconf/ gconf.xml.mandatory) 

この構成ソースのアクセス権は、読み取り専用に設定されます。ユーザーは、このソースの値を上書きすることができません。したがって、そのソースの設定は必須です 

ユーザー 

この構成ソースは、ユーザーのホームディレクトリ内の .gconf ディレクトリに格納されます。ユーザーが環境を設定すると、新しい設定情報がこの場所に追加されます

ユーザー構成ソースは、GConf エディタで変更できます。

標準 

この構成ソースには、デフォルトの設定が含まれています 

パスファイル内の構成ソースの順序では、必須の設定がユーザーの設定よりも優先されます。また、デフォルト設定よりもユーザーの設定が優先されます。つまり、GConf は、次の優先順位で設定を適用します。

  1. 必須の設定

  2. ユーザー指定の設定

  3. デフォルトの設定

システム管理者は、GConf パスファイル内の include 命令を使って、別の構成ソースを指定できます。

インクルードされる構成ソース 

説明 

/etc/gconf/2/local-mandatory.path

この構成ソースは、特定のシステムの必須設定を格納するために使用します。 

$(HOME)/.gconf.path

ユーザーは、構成ソースの場所をホームディレクトリ内の .gconf.path というファイルに指定します。

/etc/gconf/2/local-defaults.path

この構成ソースは、特定のシステムのデフォルトの設定値を格納するために使用します。 

GConf パスファイル内の apoc 設定を使用して、Sun Java Desktop System Configuration Manager のバックエンドモジュールを指定します。Sun Java Desktop System Configuration Manager については、 http://docs.sun.com にある Sun Java Desktop System Configuration Manager に関するドキュメントを参照してください。

GConf スキーマ

GConf スキーマ」は、「 GConf スキーマキー」と「GConf スキーマオブジェクト」の総称です。次の表は、スキーマキー、スキーマオブジェクト、およびこれらの項目と設定キーとの関連性について説明しています。

項目 

説明 

設定キー 

アプリケーション設定に対応する GConf リポジトリ内の要素

スキーマキー 

設定キーのスキーマオブジェクトを格納するキー 

スキーマオブジェクト 

次のような設定キー用の情報を含む構成ソース内の要素 

  • 設定キーを使用するアプリケーションの名前

  • 設定キーに必要な値の型 (たとえば、int、bool など)

  • 設定キーのデフォルト値

  • 設定キーについての簡単な記述

次の表は、設定キー、スキーマキー、およびスキーマオブジェクトの例を示しています。

項目 

例 

設定キー 

/desktop/gnome/interface/font_name

スキーマキー 

/schemas/desktop/gnome/interface/font_name

スキーマオブジェクト 

<schema>
  <applyto>/desktop/gnome/interface/font_name</applyto>
  <key>/schemas/desktop/gnome/interface/font_name</key>
  <owner>gnome</owner>
  <type>string</type>
  <default>Sans 10</default>
  <locale name="C">
    <short>Default font</short>
      <long>Name of the default font used by gtk+.</long>
  </locale>
</schema>

設定キーにスキーマキーを関連付けることができます。たとえば、/desktop/gnome/interface/font_name キーは次のスキーマキーを含んでいます。

<entry name="font_name" mtime="1034873859" 
schema="/schemas/desktop/gnome/interface/font_name"/>

設定キーにスキーマキーを関連付けると、設定は、そのスキーマキーのスキーマオブジェクト内で指定されている推奨値を使用します。推奨値は、スキーマオブジェクトの <default> 要素に含まれています。デフォルトでは、デフォルト構成ソース内のすべての設定キーが、スキーマキーと関連付けられます。

通常、スキーマはデフォルト構成ソースに格納されます。

GConf スキーマ定義ファイル

スキーマは、「スキーマ定義ファイル」から生成されます。スキーマ定義ファイルは、特定のアプリケーションにおけるすべてのキーの特性を定義します。スキーマ定義ファイルには、.schemas 拡張子が付きます。

スキーマ定義ファイルは、/etc/gconf/schemas ディレクトリに含まれています。スキーマ定義ファイルを使用して、新しい構成ソースを作成できます。

いくつかのスキーマ定義ファイルは、Java Desktop System のユーザーインターフェイスの一部と緊密に対応しています。たとえば、system_http_proxy.schemas は、 Internet 設定ツールに対応します。ほかのスキーマ定義ファイルは、Java Desktop System のユーザーインタフェースにはない設定キーを含んでいることがあります。たとえば、/apps/panel/global/tooltips_enabled キーはユーザーインターフェイスにはありません。

Java Desktop System のユーザーインターフェイスのいくつかは、複数のスキーマ定義ファイルの設定キーを表す設定を含んでいます。たとえば、キーボードショートカット設定ツールは、panel-global-config.schemas および metacity.schemas ファイルのキーを表す設定を含んでいます。