付録A


Solaris 10 3/05 HW1 ご使用にあたっての補足情報

この付録では、Solaris 10 3/05 HW1 OS に固有の問題について説明します。



注 - この付録の情報は、一時的な Solaris 10 3/05 HW1 リリースを現在も実行しているプラットフォームにのみ適用されます。Solaris 10 3/05、Solaris 10 3/05 HW2、または Solaris 10 1/06 OS を実行しているシステムには適用されません。同様に Solaris 10 1/06 OS により置き換えられる HW2 OS の詳細については、 付録 B を参照してください。




問題およびバグ

一時的な Solaris 10 3/05 HW1 OS (当初特定のハードウェアに付属していた Solaris 10 3/05 OS の特定の形式) を現在も実行しているハードウェアを使用している場合は、http://docs.sun.com に掲載されている『Solaris 10 ご使用にあたって』(Part No. 819-0305) のほかに以下の問題点にも留意してください。

Solaris インストール起動用ウィンドウを終了すると再起動が発生する (6300863)

Solarisインストール起動用ウィンドウが find_device.out の検出に失敗して再起動し、その後同じ段階に達し、再起動を再び要求した場合、状況によっては Solaris 10 3/05 HW1 のインストールが失敗することがあります。

対処方法: 起動時に次に示すように - text オプションを指定します。


boot net - text

UltraSPARC IV+ ラージページ (32M バイトと 256M バイト) は無効にするべきである (6287398 および 6313025)

Solaris 10 3/05 HW1 には UltraSPARC IV+ のラージページ (Large Page) 機能が提供されていますが、この機能は使用するべきではありません。ラージページへのマップを試みるアプリケーションを実行すると、アプリケーションが正しく動作せずにコアダンプまたハングアップを引き起こすことがあります。

対処方法: カーネルアップデート (KU) パッチ 118822-18 には、ラージページ機能を無効にする暫定修正ファイルが含まれています。



注 - KU パッチ 118822-16 にはラージページの使用を試みる機能が含まれます。このため、このダッシュ番号のバージョンのパッチは UltraSPARC IV+ システムにインストールしないでください。



ラージページの使用時に page_get_replacement_page が失敗することがある (6266922)

cfgadm (1M) を使用して稼動中のシステムからメモリーを削除する場合、ラージページを使用するアプリケーション (Oracle など) を実行していると、システムがハングアップすることがあります。カーネルは、削除されるメモリーに入っているデータのラージページを引き継がせるメモリーをほかのボード上に検出できません。この状況を知らせるエラーメッセージは存在しません。

対処方法: Oracle と動的再構成 (DR) を併用しないでください。cfgadm の処理がハングアップする場合は、このコマンドを停止し、ラージページが解放された時点で再度試みてください。

DR を使用してドメインからシステムボードを削除したあとでも prtdiag がそのボードを表示する (6298989)

動的再構成を介して Sun Fire E20K または E25K システムのドメインから UltraSPARC IV+ ボードを削除しても、prtconf プログラムと prtdiag プログラムはその UltraSPARC IV+ CPU に対応するノードがまだシステム内に存在すると報告します。これらのレポートは、システムが再起動されるまで続きます。

対処方法: DR を使用してボードを削除してからドメインを再起動するまでは、レポート内の不正なノード情報を無視してください。

I/O (入出力) に負荷がかかっている状況で「transport rejected bad packet」というメッセージを表示してシステムが停止する (6261607)

I/O (入出力) に負荷がかかっていると、次のような TRAN_BADPKT メッセージを表示して入出力が停止します。


WARNING:/ssm@0,0/pci@18,700000/SUNW,qlc@3,1/fp@0,0/ssd@w500000e010e9a152,0 (ssd68): transport rejected bad packet

対処方法: ありません。

lgrp の最大数に制限があるためシステムがパニックを引き起こす (6256111)

この問題は、大規模マシン (フル装備の Sun Fire E25K システムなど) のみで発生します。起動中に次に示すエラーメッセージが表示され、システムがパニック状態となります。


More leaf lgrps in system than are supported!

この問題は、起動時にしか発生しません。システムが正常に起動していれば、この問題は発生していないと考えることができます。

対処方法: この問題が発生するシステムで、使用する CPU を減らしてみてください。たとえば、Sun Fire E25K システムでこの問題が発生するのであれば、CPU コアを 120 個未満にして起動します。残ったボードを稼動中のドメインで使用するには、DR を使用します。

EF/kcfd アルゴリズムの使用と IPsec アルゴリズムの使用の間で競合状況が発生する (6266083)

この問題は、新規にインストールしたシステム、または起動時に新しい Service Management Facility (SMF) マニフェストを多数インポートするシステムで発生する可能性があります。起動時にこの状況が発生したあと、暗号化フレームワーク svc:/system/cryptosvc:default に先立って IPsec (svc:/network/initial:default の一部) が初期化されることがあります。認証化アルゴリズム、暗号化アルゴリズムとも使用できないため、IPsec セキュリティーアソシエーション (SA) の構築が失敗して次のようなエラーメッセージが表示されることがあります。


PF_KEY error: type=ADD, errno=22: Invalid argument, diagnostic code=40: Unsupported authentication algorithm

この状況は、IPsec サービスが関与している Sun Fire E25K システムで DR を使用する場合に発生する可能性があります。

対処方法: IPsec サービスを使用する処理を実行する場合は、新しい SMF マニフェストを多数インポートする起動処理のあとで次の手順を実行してからそのサービスを実行します。

1. 起動後、次のコマンドを実行します。

ipsecalgs -s

2. システムに /etc/inet/secret/ipseckeys が存在する場合は、次のコマンドも実行します。

ipseckey -f /etc/inet/secret/ipseckeys

以上の操作を行うと、IPsec セキュリティーアソシエーションを構築する作業 (Sun Fire E25K システム上での DR の実行など) が行えるようになります。

この手順を繰り返す必要があるのは、起動時に新しい SMF マニフェストが多数インポートされる場合だけです。


Solaris 10 3/05 HW1 オペレーティングシステム SPARC パッチリスト

この節では、Solaris 10 3/05 HW1 OS を実行している SPARC システムにのみ適用されるパッチ情報について説明します。Solaris 10 3/05、Solaris 10 3/05 HW2、または Solaris 10 1/6 OS を実行しているシステムには適用されません。http://docs.sun.com に掲載の『Solaris 10 ご使用にあたって』も参照してください。

この付録に記載したパッチは、次のいずれかの方法で Solaris 10 3/05 HW1 オペレーティングシステムにすでに適用されています。

showrev -p コマンドを実行すると、パッチがどのように適用されたかにかかわらず、インストール済みシステムに適用されているすべてのパッチの一覧が表示されます。Solaris 10 3/05 HW1 ソフトウェアには、既知のパッチとテストレベルのパッチが含まれています。しかし、Solaris 10 3/05 HW1 リリースからパッチをバックアウトすることはできません。



注 - Solaris 10 3/05 HW1 ソフトウェアには、Solaris リリースインストールイメージに固有の作業を行う特殊なパッチが含まれます。これらのパッチは各 Solaris ソフトウェアリリース固有のものであり、ほかのシステムやほかの Solaris ソフトウェアリリースには適用されません。ほかのシステムまたは Solaris OS インストールにこれらのパッチをダウンロードしたりインストールしたりすることは避けてください。