名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 制限事項
/usr/sbin/growfs [-M mount-point] [newfs-options] [raw-device]
growfs は、ファイルシステムのスライスのサイズまで、マウントされているまたはマウントされていない UNIX ファイルシステム (UFS) を非破壊的に拡張します。
通常、ディスク領域は、最初メタデバイスにスライスを追加し、次に growfs コマンドを実行することで拡張されます。ミラーに領域を追加する場合は、各サブミラーを拡張してからファイルシステムを拡張することになります。
growfs は拡張時に、マウントされたファイルシステムを「書き込みロック」(lockfs(1M) を参照) します。ファイルシステムが書き込みロックされる時間は、ファイルシステムを段階的に拡張することによって、短くすることができます。たとえば、ファイルシステムを 1Gバイトから 2G バイトに拡張する場合は、16M バイト単位で拡張することができます。この場合、-s オプションで、各段階ごとに新しいファイルシステムの合計サイズを指定してください。-s の引数は、セクター数で指定し、シリンダサイズの倍数にしてください。 注 : シリンダサイズとして 2 未満の値が指定された場合 には、ファイルシステムは拡張できません。ファイルシステムを拡張させるときに指定できるオプションの詳細については、newfs(1M) マニュアルページを参照してください。
growfs はファイルシステムの拡張時に mkfsと同じ情報を表示します。
growfs が異常終了した場合は、ファイルシステムをマウント解除し、fsck コマンドを実行して失われた空き領域を復元するか、または growfs コマンドをもう一度実行します。
次のどのオプションを実行する場合でも、スーパーユーザーになる必要があります。
拡張されるファイルシステムは mount-point にマウントされています。ファイルシステムのロック (lockfs) が使用されます。
これらのオプションについては、newfs のマニュアルページを参照してください。
/dev/mr/rdsk または /dev/rdsk にそれぞれ存在する、raw メタデバイスまたは raw 特殊デバイスの名前を指定します。これには、ファイルシステムを拡張させるディスクスライスが含まれます。
以下は、/export ファイルシステムで非メタデバイススライスを拡張する例です。この例では、既存のスライス /dev/dsk/c1t0d0s3 がメタデバイスに変換されるので、追加のスライスを連結できます。
# metainit -f d8 2 1 c1t0d0s3 1 c2t0d0s3 # umount /export |
/etc/vfstab ファイルを編集して、/export のエントリを新しく定義されたメタデバイス d8 に変更します。
# mount /export # growfs -M /export /dev/md/rdsk/d8 |
この例は、-f オプション付きで metainit コマンドを実行することで開始し、新しい連結メタデバイス d8 を強制的に作成します。d8 は、既存のスライス /dev/dsk/c1t0d0s3 と新しいスライス /dev/dsk/c2t0d0s3 で構成されています。次に、/export 上のファイルシステムのマウントを解除する必要があります。/etc/vfstab ファイルを編集し、/export のエントリを、スライス名ではなく、新しく定義したメタデバイス名に変更します。ファイルシステムを再度マウントした後、growfs コマンドをファイルシステムを拡張するために実行します。 ファイルシステムは、growfs が完了するとメタデバイス全体に広がります。-M オプションによって growfs コマンドはマウントされたファイルシステムを拡張します。拡張の間は、growfs がファイ ルシステムのロックを解除するまで /export への書き込みアクセスは一時停止されます。読み取りアクセスはその影響を受けませんが、ロック中はアクセス時刻は記録されません。
以下の例は、前述の例の一部を使用しています。ここでは、メタデバイス d8 にマウントされた /export ファイルシステムは動的に拡張されます。
# metattach d8 c0t1d0s2 # growfs -M /export /dev/md/rdsk/d8 |
この例は、metattach コマンドを使用することで開始し、新しいスライス /dev/dsk/c0t1d0s2 を既存のメタデバイス d8 の最後に動的に連結させます。次に、growfs コマンドは、マウントポイント /export を raw メタデバイス /dev/md/rdsk/d8 上に拡張します。ファイルシステムは、growfs が完了するとメタデバイス全体に広がります。拡張の間は、growfs がファイルシステムのロックを解除するまで /export への書き込みアクセスは一時停止されます。読み取りアクセスはその影響を受けませんが、ロック中はアクセス時刻は記録されません。
以下の例は、マウントされたファイルシステム /files を既存のミラー d80 に拡張するものです。このミラーには 2 つのサブミラー d9 と d10 が含まれています。
# metattach d9 c0t2d0s5 # metattach d10 c0t3d0s5 # growfs -M /files /dev/md/rdsk/d80 |
この例では、metattach コマンドは各サブミラーに新しいスライスを動的に連結します。metattach コマンドは各サブミラーに対して実行する必要があります。ミラーは最後のサブミラーが動的に連結されると、自動的に拡張されます。ミラーは最小のサブミラーのサイズまで拡張されます。次に、growfs コマンドでファイルシステムを拡張します。growfs コマンドはマウント先 /files のraw メタデバイス /dev/md/rdsk/d80 を拡張します。ファイルシステムは growfs コマンドが完了するとミラー全体に広がります。拡張の間は、growfs がファイルシステムのロックを解除するまでファイルシステムへの書き込みアクセスは一時停止されます。読み取りアクセスはその影響を受けませんが、ロック中はアクセス時刻は記録されません。
以下の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWmdu |
fsck(1m), lockfs(1M), mkfs(1M), metattach(1M), newfs(1M), attributes(5)
『Solaris ボリュームマネージャの管理』
(マウントされているされていないを問わず) UFS ファイルシステムだけが growfs コマンドを使用して拡張できます。ファイルシステムは一度拡張されると、そのサイズを小さくすることはできません。 以下の場合には、ファイルシステムを拡張することはできません。acct が起動されており、アカウンティングファイルがターゲットデバイス上にある場合。C2 セキュリティが有効で、ロギングファイルがターゲットのファイルシステム上にある場合。ターゲットのファイルシステム上に、ローカルの swap ファイルがある場合。ファイルシステムがルート (/)、/usr、swap のいずれかである場合。