名前 | 形式 | 機能説明 | オプション | 使用例 | 終了ステータス | 属性 | 関連項目 | 制限事項 | 注意事項
/usr/sbin/metarename [-s setname] metadevice1 metadevice2
/usr/sbin/metarename [-s setname] [-f] -x metadevice1 metadevice2
/usr/sbin/metarename -h
metarename には 2 とおりの使用法があります。-x オプションを指定する方法と、指定しない方法です。-x オプションを指定しない方法では、既存のメタデバイスの名前を新しい名前に変更します。この機能により、メタデバイスの名前空間をより簡単に管理できます。ただし、マウントされているメタデバイスやオープン状態となっているメタデバイスの名前は変更できません。また既存の名前を割り当てることもできません。たとえば、名称変更したいマウントされているファイルシステムをもつメタデバイスは、まずファイルシステムのマウントを解除してから名称変更してください。
metarename の2 つ目の使用法は、-x オプションを指定することにより、階層化された既存のメタデバイスの名前を、そのサブデバイスの 1 つと切り替える (交換する) ことです。Solaris ボリュームマネージャでは、階層化されたメタデバイスとはミラーもしくはトランスメタデバイスを指します。-x オプションを指定すると、ミラーのメタデバイス名をそのサブミラーの 1 つと交換したり、トランスメタデバイス名をそのマスターデバイスと交換したりできます。
したがって、metarename -x により既存のストライプや連結のミラー化やミラー化の解除を行なったり、トランスデバイスを削除したりすることがより簡単になります。
既存のストライプや連結をミラー化する場合は、そのデバイスへのアクセスを中止しなければなりません。たとえば、マウントされているファイルシステムをもつデバイスは、名称変更する前にそのファイルシステムのマウントを解除しなければなりません。
metarename -x コマンドを使用すると、既存のデバイスからトランスメタデバイスをトランス解除することもできます。この機能はマスターデバイスだけに適用できます。metarename コマンドでは、ロギングデバイスを削除できません。トランスデバイスの名称を変更する前に、まずロギングデバイスを切り離し、そのトランスメタデバイスへのアクセスを中止する必要があります。
メタデバイス自体や、そのサブコンポーネントがエラー状態である場合、またはメタデバイスにホットスペアと交換されているものがある場合、そのメタデバイスの名称を変更したり、交換することはできません。
メタデバイス名を交換できるのは、親子関係にあるものだけです。たとえば、マスターデバイスとなっているミラー中のストライプとそのトランスメタデバイスとでは、名前を直接交換することはできません。
トランスメタデバイスのメンバーを交換するときは、必ず -f オプションを使用してください。
この場合、交換できるのは、スライスではなくメタデバイスです。
以下のオプションがサポートされています。
トランスメタデバイスのメンバーを強制的に切り替えます。
ヘルプメッセージを表示します。
metarename コマンドを実行するディスクセットの名前を指定します。-s オプションを指定すると、metarename コマンドは指定されたディスクセット内でのみ、その機能を実行します。このオプションを指定しないと、metarename コマンドはローカルのメタデバイス上でその機能を実行します。
メタデバイス名 metadevice1 と metadevice2 を交換します。
変更または交換したいメタデバイス名を指定します。
新しいメタデバイス名を指定します。
この例では、メタデバイスの名称を d10 から d100 に変更します。この場合、d100 がまだ存在していない名前であれば、この変更は成功します。
# metarename d10 d100 |
この例では、マウントされているファイルシステム /home2 をもつ既存のストライプ d1 から 2 面ミラーを作成します。
# metainit d2 1 1 c13d0s1 # metainit -f d20 -m d1 # umount /home2 # metarename -x d20 d1 # metattach d1 d2 # mount /home2 |
まず、2 番目の連結 d2 が作成されます (d1 はすでに存在しているため)。metainit コマンドは、d1 から d20 という 1 面ミラーを作成します。次に、ファイルシステムのマウントを解除し、d1 と d20 を交換して、d1 をトップレベルのデバイス (ミラー) にします。この後、2 番目のサブミラー d2 を接続して、2 面ミラーを生成します。最後に、ファイルシステムをマウントし直します。
この例では、最初ファイルシステムは既存のミラー d1 にマウントされていますが、最後はストライプ d1 としてマウントされます。
# umount /fs2 # metarename -x d1 d20 # metadetach d20 d1 # metaclear -r d20 # mount /fs2 |
まず始めにファイルシステムのマウントを解除し、ミラー d1 とそのサブミラー d20 の名前を交換します。この結果、ミラーは d20 になります。次に、d20 から d1 を切断し、ミラー d20 とその他のサブミラーを削除します。最後にファイルシステムをマウントし直します。
この例では、マウントポイント /myhome にマウントされているトランスメタデバイス d10 を削除します。マスターデバイス d2 と、ロギングデバイス d5 は、どちらもストライプです。
# umount /myhome # metadetach d10 # metarename -f -x d10 d2 # metaclear d2 # metaclear d5 # fsck /dev/md/dsk/d10 # mount /myhome |
まず始めにファイルシステムのマウントを解除し、トランスメタデバイスのロギングデバイス d10 を切断します。次にトランスメタデバイスと、そのマスターデバイスとを交換するため、トランスメタデバイスが d2 となり、その配下のストライプが d10 となります。次に、トランスメタデバイス d2 とロギングデバイス d5 をクリアします。その後、d10 に必ず fsck コマンドを実行してからファイルシステムをマウントし直します。
以下の属性については、attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
属性タイプ |
属性値 |
---|---|
使用条件 |
SUNWmdu |
mdmonitord(1M), metaclear(1M), metadb(1M), metadetach(1M), metahs(1M), metainit(1m), metaoffline(1M), metaonline(1M), metaparam(1M), metarecover(1M), metareplace(1M), metaroot(1M), metaset(1M), metassist(1M), metastat(1M), metasync(1M), metattach(1M), md.tab(4), md.cf(4), mddb.cf(4), attributes(5), md(7D)
名称変更や、名前の交換ができるのは、メタデバイスのみです。物理スライスをメタデバイスに名称変更したり、メタデバイス名を物理的なスライス名に変更することはできません。
メタデバイスには、d<xyz> という形式の名前を指定します。この場合、xyz には 0 - 8192 までの数字が入ります。メタデバイスに論理名を指定することはできません。
トランスメタデバイスは UFS ロギングによって置き換えられました。既存のトランスデバイスはロギングを行わず、その元となるデバイスにデータを直接渡します。UFS ロギングについての詳細は、mount_ufs(1M) を参照してください。
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